こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
本日は、自己免疫疾患の原因についての本のご紹介です。
自己免疫疾患はGnRH( 性腺刺激ホルモン放出ホルモン= ゴナトドロンピン放出ホルモン)の過剰分泌が原因?
著者は自身が長年リウマチで苦しむ母親の介助をしてきた経験から、自ら医師となり自己免疫疾患の研究者になった方です。
この本の帯に、『リウマチの謎を解き明かした』、とありますが現実はまだ入り口と言えると思います。
一般書にしては難しい内容になっていますが、自己免疫疾患に苦しんでいる方はぜひ読んでいただきたい本です。
著者はまず、副腎皮質ホルモンであるコルチゾールとリウマチの関係を調べました。
ですが、それだけではうまくいきませんでした。
最終的に大きな発見につながるのは、女性に自己免疫疾患が多いのは、エストロゲンが関係しているということに気づいたことから始まっています。
エストロゲンが関与していることに気づいている人はたくさんいると思います。
この本にも書かれていますが、最初はエストロゲンの減少が自己免疫疾患の原因ではないか、という勘違いから始まっています。
実は私も同じ勘違いをしてしていました。
本当にこれが原因なら、問題は簡単なんですがそうはいきません。
私個人的な疑問としては、エストロゲンが減るのが原因と言われている更年期障害に対する疑問から始まりました。
- そもそもエストロゲンの減少が原因なら、年齢とともに更年期障害はどんどん悪化していくはずなのに、現実は更年期が過ぎると緩和していくこと
- エストロゲンの少ない子供の時期には更年期障害のような症状は起こらない。もちろんリウマチも少ない。
最終的な結論についていうと、著者は、
- 視床下部が作るホルモンGnRH( 性腺刺激ホルモン放出ホルモン= ゴナトドロンピン放出ホルモン)を阻害するアンタゴニストによりリウマチが緩和する。GnRHによって分泌が刺激されるFSHやLHが炎症をひどくする。
ということを発見したのです。
GnRH(性腺刺激ホルモン放出ホルモン= ゴナトドロンピン放出ホルモン)とは?
GnRHは脳の視床下部から分泌されるホルモンです。
「性腺刺激ホルモン放出ホルモン」とか「ゴナトドロンピン放出ホルモン」とか呼ばれています。
GnRHは脳の下垂体前葉が作るFSH( 卵胞刺激ホルモン)とLH(黄体形成ホルモン)の分泌を刺激します。
結果として、卵巣がホルモンを受け取り、女性ホルモンであるプロゲステロン(黄体ホルモン)とエストロゲン(卵胞ホルモン)の分泌します。
男性はテストステロン(男性ホルモン)を分泌します。
GnRHの過剰分泌が自己免疫疾患の原因!?
GnRHの過剰分泌が原因という考えは、現在の西洋医学で言われている一般的な更年期障害の理由と同じですね。
ただし、下記の内容に個人的には完全に納得はしていません。
結果的にはGnRHが過剰になっているとは思うのですが、原因は下記の内容だけではないと思っています。
GnRHが過剰になる仕組み
GnRHが過剰になる仕組みとしては、
更年期になると卵巣の機能が低下し、エストロゲンの分泌量が減っていきます。
↓
すると、脳の視床下部が性腺刺激ホルモン放出ホルモン(GnRH)を分泌します。
↓
ホルモンを受け取った脳下垂体が性腺刺激ホルモン(FSH・LH)を分泌させます。
↓
通常なら、この性腺刺激ホルモンの働きで卵巣からエストロゲンが分泌されるようになります。ところが卵巣の機能が低下しているため、いくら性腺刺激ホルモン(FSH・LH)が多く出てもエストロゲンの量は増えません。
↓
その性腺刺激ホルモン(FSHとLH)が炎症をひどくする
という理論です。
こういう問題もありえると思いますが、実際にはもっと複雑であると思っています。
女性の男性ホルモン不足の問題
例えば、女性のテストステロン(=アンドロゲン=男性ホルモン)の減少の問題。
女性の男性ホルモン合成に重要なのは副腎が分泌するホルモンDHEAです。
『多発性硬化症や関節リウマチなど「自己免疫疾患」という病気は、本来、「外敵をから体を守る」免疫系が「自分の体を攻撃する」という病気です。この病気は発症率が女性と男性とで違い、女性は男性に比べて最大9倍も発生率が高いという特徴があります。その発生率の違いのメカニズムをノースウェスタン大学の研究者たちが突き止めました。また、この成果により、自己免疫疾患の「多発性硬化症」に有効な2種の薬品が開発され、認証に向かっていると、テクノロジー系ニュースサイトのArs Technicaが報じました。』
『多発性硬化症や関節リウマチなど「自己免疫疾患」は、発症率が女性と男性とで違い、女性は男性に比べて3~9倍高く、また男性より若い年齢で発症する割合も高く、マウス実験でもほぼ同じ結果になります。
この現象には前立腺と精巣から多く分泌され、男性のヒゲや筋肉、胸毛つまり「男らしさ」を付与するホルモン、「テストステロン」が関係していることはわかっていましたが、「テストステロンがどう作用するか」は謎のままでした。』
『そして、このテストステロンの謎をノースウェスタン大学ファインバーグ医学部微生物免疫学科の研究者が解明しました。自己免疫疾患の1種で炎症を引き起こす「多発性硬化症」のマウスで実験し、オスのマウスが持つ肥満細胞がテストステロンに近づくと、伝達タンパク質サイトカインを分泌することにより、炎症を抑えるということを研究者が発見しました。』
『肥満細胞により「サイトカイン」が分泌されるのが自己免疫疾患治療の鍵であり、逆に肥満細胞の少ないマウスは、サイトカインを分泌しないので炎症が収まらなかったとのこと。そして、この仕組みに着目して作られた2種の薬品が認証に向かっており、この薬品は免疫系のT細胞が自分の体を攻撃するどころか「炎症を抑えるように仕向ける」ことができるとのこと。
この疾患の鍵となるサイトカインは、情報伝達タンパク質の1種IL-33であり、テストステロンは、肥満細胞細胞がIL-33を作るのを促していると見込まれています。』
(https://gigazine.net/news/20180206-muscle-prevent-autoimmune-diseases/ より引用)
女性でも、男性ホルモン(テストステロン)は少量ですが分泌されています。
副腎や卵巣で分泌されます。
自己免疫疾患には、副腎機能低下が影響していることが多いので関係あるかもしれません。
副腎が作るテストステロンの前駆体であるDHEAや自然のDHEA(ワイルドヤム(ヤム芋))を補充するといいかもしれませんね。
悪玉エストロゲンの問題
また、悪玉エストロゲンの問題も関係している可能性があります。
悪玉エストロゲンの増加が、GnRHの過剰分泌と関係している可能性があります。
自己免疫疾患の原因は複雑です
さまざまな要因がありとても複雑ですね。もちろん、リウマチなどの自己免疫疾患はエストロゲンの問題だけではありません。この本にも書かれていますが、
- 腸内環境の問題
- 腸管免疫の問題
- EBウイルス感染の問題
- 連鎖球菌感染の問題
など、さまざまな要因が関与しています。
自己免疫疾患に対して思うことフィシオエナジェティック検査で調べていると、実は自己免疫疾患は女性の5人に1人くらいいるんじゃないかな、と勝手に思っています。
(※ フィシオエナジェティックでは自己免疫疾患かどうかわかりませんし、当院でそのような診断をすることはありません。)
日本では自己免疫疾患という診断は少ないですが、現実には自己免疫疾患のひとは非常に多いと思われます。
アメリカでは9人に1人が自己免疫疾患の診断を受けているらしいですが、日本では自己免疫疾患の診断を受けている人はとても少ないです。
日本で自己免疫疾患の診断をされないのは、おそらく難病になると医療費が増えるからですよね。
関節リウマチやSLE(全身性ループスエリテマトーデス)や橋本病・バセドウ氏病などは有名ですが他にも、
- 線維筋痛症
- 多発性硬化症
- クローン病
- 潰瘍性大腸炎
- 混合性結合組織病
- シェーグレン症候群
- 自己免疫性肝炎
- 重症筋無力症
- 多発性筋炎
- 全身性強皮症
- リウマチ性筋炎
- 特発性血小板減少性紫斑病
- ベーチェット病
- アジソン病
- 抗リン脂質抗体症候群
- 高安病
など、たくさんの病名があります。
それだけではなく
- 円形性脱毛症
- 白斑
- 乾癬
などの皮膚症状もほとんどが自己免疫疾患です(日本では自己免疫疾患という説明はしていないようです)。
当院のフィシオエナジェティック検査では、自己免疫疾患という診断はしませんが、自己免疫による炎症があると疑われる人は非常に多いです。
他にも私が疑っている自己免疫疾患としては、
- 慢性肩こりなどの体の痛み(自己免疫による血管の炎症ではないのか)
- 大人になってからのアトピー性皮膚炎や喘息
- アルツハイマー病やパーキンソン病などの脳疾患
- 脳脊髄液減少症
- 子宮内膜症
- ヘバーデン結節
- ブシャール結節
など。
自己免疫疾患に対して当院でできる事
自己免疫疾患は、当院でも治すのに時間がかかるケースが多いです。
今のところは、とにかくきっかけになった問題を取り除いていくしかないのです。
簡単に治るケースもあります。ですが今のやり方だと年単位で時間がかかる人も多く、途中であきらめていく人が多いです。
何かもっと良い方法がないのか、自分なりに研究中です。
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