こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
先日このような記事を見つけました。
『訴えによりますと2017年4月、当時30歳の母親が男の子を出産する際、胎児の心拍数が低下しているにも関わらず、担当医が子宮の収縮を起こす陣痛促進剤・オキシトシンの投与を続けたため、男の子は重度の脳性麻痺を負ったとしています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/e820f5254764d07af4d0390d173ad1d92a855471 より引用』
陣痛促進剤(オキシトシン)は安全なのか?
陣痛促進剤(オキシトシン)は安全なのでしょうか?
上記の記事のような問題はとても難しいですね。
原因が一つではないですから。
訴える人が増えれば増えるほど産科のリスクが上がるため産科がどんどん減ってきているという事実。
産科がどんどん減ってくると陣痛促進剤(オキシトシン)の使用も増えてしまうし帝王切開も増えてきます。
帝王切開が増えたら麻酔のリスクも増えます。
だからと言って緊急対応ができない自然分娩がいいわけでもありません。
難しい。
オキシトシンは幸せホルモンなのか?
上記の記事を見てこう思った人もいるかもしれません。
「オキシトシンって『幸せホルモン』じゃないんですか?」
そうなんです。
一般的に「幸せホルモン」と呼ばれているオキシトシンは陣痛促進剤として使われているんです。
当然のことながらオキシトシンを増やす作用のあるハーブは妊娠中は飲まないように指導されます。
それって本当に幸せホルモンなのでしょうか?
オキシトシンの作用
まずは一般的なオキシトシンの作用を説明します。
オキシトシンは視床下部の「室傍核」と言われるところで作られ下垂体後葉に運ばれます。
オキシトシンは「愛情ホルモン」や「絆ホルモン」、「癒しのホルモン」とも呼ばれています。
女性に優位なホルモンで、男性は社会性ホルモン「ヴァソプレシン」というホルモンが優位です。
オキシトシンはすべての役割がわかっていないホルモンではあります。
- 「愛情ホルモン」や「絆ホルモン」としての作用
- 夫婦間の絆などのコミュニケーションに関係します。
- 恋に落ちたときにも分泌されます。
- 男女共に性交渉で絶頂を迎えたときに大量に分泌されます。
- 分娩後の母性行動や雌雄ペアの安定性、良好な子育てにも関係します。
- 他者への信頼性や愛情の形成などに関与しています。
- 母性愛や社交性など、他者とのつながりを求める気持ちが高まります。
- 「扁桃体」に働き「心地よさ」を高める作用がある(男性)
- 男性の場合では、仕事や社会の上での他の人との競争について、より繊細に感じ取るよう
- になります。オキシトシンを投与された男性では「競争関係」にある状態の解釈が、より
- 正確に行われるようになり、女性では「家族や友人との関係」にある状態の理解がより正確に行われります。
オキシトシンの感情的作用
オキシトシンの感情レベルに与える作用は、
- ストレスホルモンであるコルチゾールの血中濃度を下げ、ストレスを緩和します(HPA軸の調整)。
- 興奮性ホルモン「ノルアドレナリン」を抑制
- 幸せホルモンセロトニンの分泌
- 幼い時のオキシトシン分泌によって幸せホルモンであるセロトニンが出やすい体質になる
などがあります。
オキシトシンの肉体的作用
オキシトシンの肉体的作用としては、
- 女性には子宮の平滑筋収縮により陣痛を促進し、分娩を促します(オキシトシンは陣痛促進薬や 分娩誘発剤として使われます)。
- 乳腺を刺激し乳汁分泌を促します。乳腺の筋線維収縮による乳汁の分泌促進作用があり、授乳に作用します。
- 求心性迷走神経を活性化することで食欲を抑制します。
- 自律神経(副交感神経を優位にする)
- 鎮痛作用
- 抗炎症作用
- 血管拡張、血圧低下
- 心臓の保護
- 胃腸の運動強化
- 腸粘膜の修復
などがあります。
オキシトシンは魔法のホルモンではありません
オキシトシンは魔法のホルモンではありません。過剰になってもダメなんです。
オキシトシンは多ければ多いほどいいというわけではなく、最新の研究で、オキシトシンはストレスを感じる状況下において恐怖心や不安感を増幅させ、辛い記憶を強化することも判明しています。
トラウマを増強してしまい、不安や恐れを引き起こします。恐怖心や不安感を増幅させ、辛い記憶を強化されるため過去の記憶に囚われることになります。
オキシトシンは何ホルモンなのでしょうか?
では、オキシトシンは何ホルモンなのでしょうか?
オキシトシンは最新の研究では心臓も分泌している可能性があるそうです。
心臓は愛情とも関係があります。
愛情ホルモン「オキシトシン」?
愛情(自己愛や他者愛)が強すぎると、相手を束縛したり嫉妬深くなったりすることはありますよね。
愛情(自己愛)が強すぎてもだめですよね。
自己愛が強すぎると攻撃的になったり他人と競争したくなったりという傾向はないでしょうか?
愛情(愛)と嫉妬や攻撃的感情とは紙一重なんですね。
オキシトシンは、心の健康状態を良くすることも悪くすることも出来る諸刃の剣なのです。