こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
日経サイエンスという雑誌にこんな記事が載っていました。(長いので抜粋します。)
タイトル『人体をコントロールする細菌たち』
『人体には、自身の細胞数(約60兆個)の約10倍にあたる細胞数の細菌がすみついており、主人であるヒトの心身の状態をコントロールしている。細菌が作る内なる生態系「マイクロバイオーム」が、人体の作ることができない有益な物質を生み出したり、過剰な免疫反応を抑えたりしていることがわかってきた。
腸管などにいるバクテロイデス・フラジリスという細菌が、自己免疫疾患を抑制する機能を持つ制御性T細胞の誘導に関係していることが2010年に判明した。翌11年にも同様の働きをする細菌が確認された。
細菌叢の乱れがアレルギー、動脈硬化、糖尿病、多発性硬化症といった様々な病気の発症に関係しているという証拠が見つかりつつある。これらの細菌をコントロールすることによって、病気の症状を和らげ、あるいは治療する方法が開発できるかもしれない。
胃腸にすむ細菌が、健康状態だけでなく、思考や気分に影響を及ぼす可能性も指摘されている。特殊な環境で育てて消化管に微生物がすみつかないようにした無菌マウスを、ストレスを誘発する状況に置いたところ、通常のマウスと比べて、ストレスホルモンの血中濃度が高まったほか、記憶と学習に重要な脳の海馬という領域で、神経に栄養を与える因子を生む遺伝子の発現が低下するという結果が得られた。』
(https://www.nikkei.com/article/DGXNASGG2301G_T20C12A8000000/ より引用)
自己免疫疾患と腸内細菌(乳酸菌以外のバクテリア)の関係
腸の調子が悪ければ、乳酸菌が役に立つことがあります。
ですが、腸内細菌で重要なのは乳酸菌だけではありません。
乳酸菌以外のバクテリアが自己免疫疾患を抑制する制御性T細胞を増やすということがわかってきています。
上記のバクテロイデス・フラジリスというバクテロイデス属の細菌だけではなく、クロストリジウム属の細菌などさまざまな細菌が関与していることがわかってきています。
役に立つのは乳酸菌だけではありません。
もしかしたら将来は自己免疫疾患には乳酸菌以外のバクテリアを補充するというような時代がくるかもしれませんね。
今でも他人の健康な便そのものを移植するということが世界的に研究され、さまざまな成果を上げています。
将来的には役立つ細菌だけを取り出して培養し摂取できる時代が来るとは思います。
いまでも土壌菌という乳酸菌以外のバクテリアを培養したものが売っていますが、今の衛生ルールでは善玉菌なのに悪と認定される可能性があるので、商品化は難しいでしょうね。