こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法治療院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
人類の数%から10%程度の人がかかっているであろうと言われている自己免疫疾患。
本日は自己免疫疾患についてお話しします。
まずは、その自己免疫疾患の原因である免疫(白血球)を研究して制御性T細胞(Treg細胞)という白血球(リンパ球)の一種が免疫の暴走を抑えているということを発見した科学者の本をご紹介します。
免疫の守護者 制御性T細胞とはなにか (ブルーバックス) [ 坂口 志文 ]
難しいことについてはこの本をお読みください。
簡単に説明すると、
- 心臓の上、胸骨の奥にある胸腺という臓器を取ってしまうと、自己免疫疾患が発症する
- 制御性T細胞(Treg細胞)が免疫の暴走をさまざまな方法で制御しており、制御性T細胞を取り除くと自己免疫疾患を発症する
ということを発見したのです。
自己免疫疾患とは?
自己免疫疾患とは、自分の免疫が自分の細胞やタンパク質を攻撃してしまう病気です。
自分の細胞やタンパク質に自己抗体が出来るのが原因です。
自己免疫疾患は「膠原病」とも呼ばれます。
膠原病の「膠原」とは結合組織の膠原繊維(コラーゲンやエラスチンなど)のことです。主に内臓の膠原繊維に炎症や変性を引き起こすので膠原病と呼ばれています。
関節、骨膜、筋肉、皮膚、血管、神経、内臓(脳・肝臓・内分泌系(脳下垂体・甲状腺・副腎・卵巣)・眼・消化管(食道・胃・小腸・大腸))、膵臓・心臓・子宮・皮膚などすべての全身の細胞に起りえます。
自己免疫疾患の種類
攻撃の対象となる場所によって様々な病名がついています。
- 関節リウマチ
- SLE(全身性ループスエリテマトーデス)
- 橋本病(甲状腺炎)
- バセドウ氏病
- 線維筋痛症
- 多発性硬化症
- クローン病
- 潰瘍性大腸炎
- セリアック病
- 混合性結合組織病
- シェーグレン症候群
- 自己免疫性肝炎
- 重症筋無力症
- ギランバレー症候群
- 多発性筋炎
- 皮膚筋炎
- 全身性強皮症
- リウマチ性筋炎
- リウマチ性多発筋痛症
- 結節性多発動脈炎
- 特発性血小板減少性紫斑病
- ベーチェット病
- アジソン病
- 脊髄小脳変性症
- レイノー症候群
- 白斑
- 紅斑
- 乾癬
- 円形脱毛症
- 脱毛症
- 線状IgA水疱性皮膚症
- 自己免疫性プロゲステロン皮膚炎(APD)
- 抗NMDA受容体脳炎
- 抗リン脂質抗体症候群
- 高安病
- 1型糖尿病
- 萎縮性胃炎
- 成人スチル病(成人スティル病)
- アミロイドーシス
- サルコイドーシス
- 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
- 自己免疫性膵炎
- 自己免疫性肝炎
- 自己免疫性下垂体炎
- 萎縮性胃炎
※自己免疫疾患は西洋医学では原因不明で、多くの病気が「難病」に指定されています。
その他、自己免疫疾患である可能性がある病気
その他、自己免疫疾患である可能性がある病気としては、
- 子宮内膜症
- へバーデン結節
- 喘息やアトピー性皮膚炎の一部
- 口内炎の一部
- 拡張型心筋症の一部
- アルツハイマー病
- パーキンソン病
など、もしかしたら自己免疫疾患かもしれない問題は多数あります。
自己免疫疾患の症状として多いもの
自己免疫疾患の症状として多いものとしては、
- 指の第2関節に炎症(関節リウマチ)
- 朝の指のこわばり
- レイノー現象(急な寒さや冷たい水などの冷えによって、血管が萎縮し血流が悪くなり、皮膚が青白くなったり赤紫色になったりする現象を言います。)
- 皮膚症状
- 慢性疲労
など。
自己免疫疾患の治療法(西洋医学)
西洋医学ではステロイド(抗炎症剤・免疫抑制剤)やステロイドより強力な免疫抑制剤を使用します。
自己免疫疾患の原因
先ほどご紹介した本の中に書かれていますが、制御性T細胞の減少は自己免疫疾患発症の要因になりますが、それは結果であって原因ではありません。
遺伝子的な要素(エピジェネティクス的遺伝子発現)が関わっているケースもあれば、関わっていないケースもあります。
西洋医学では自己免疫疾患の根本原因は不明とされていますが、フィシオエナジェティック検査法で調べると自己免疫疾患(膠原病)の原因として多いのは、
などです。
⇒ フィシオエナジェティックについて詳しくはこちら
遺伝子的要因で環境要因によって遺伝子発現(エピジェネティクス的)に変化があったのかもしれませんし、何かの原因で免疫が暴走してしまったのかもしれません。
基本的にはアレルギーとほぼ同じ仕組みです。
アレルゲンが自分の体の中にある物質ならばアレルギー、自己細胞ならば自己免疫疾患ということです。
当院では自己免疫疾患かどうかの診断は行いません。
ただし自己免疫によって体内に炎症があるという表現はするかもしれません。
これには二つの意味があります。
- 自己抗体ができてしまっている
- 何らかの理由で自分の免疫が自分の細胞や体内成分を攻撃している(免疫の暴走)
その他、自己免疫疾患に関するおすすめ本
免疫の反逆 自己免疫疾患はなぜ急増しているか [ ドナ・ジャクソン・ナカザワ ]
この本は自己抗体が出来る原因を調べつくした本です。
重金属や有毒化学物質、ウイルス、ワクチンなど、疑いの強いものについて検証しています。
アメリカでは自己免疫疾患と診断されている方だけで12人に1人だそうです。
当然、診断されていない人もいるでしょうからすごい人数です。
この数字を見ると日本は検査レベルが遅れているのかな?と思われます。もしくは難病指定されているので、そう簡単に診断できない事情があるのかもしれません。
この中で非常に重要な考え方が分かりやすく書いてありますのでご紹介します。
『酒樽効果』と訳されています。
『たやすく病気に陥ってしまう限界ぎりぎりまで追い込まれるには、幾つかの要因が絡んでいる。それを酒樽になぞらえて「酒樽効果」といってもよい。樽のヘリすれすれのところまで水を注ぎ込む。なみなみとした水は縁あたりに漂っているが、ぎりぎりのところで踏みとどまり一滴もこぼれない。しかし、ごく少量の水をさらに加えると、水は縁を越えて溢れ出す。自己免疫疾患の患者に例えて、その要因を酒樽に流し入れる。(この先、文章の内容は変えてます)避妊用ピルや化学物質、重金属、ウイルス、などが混ざり合って、酒樽の中身はヘリすれすれのところであふれんばかりになっている。酒樽があふれるきっかけとなる最後の一滴は人によって違う』(本文より引用)
実はこの考えは非常に重要になってきます。
自己免疫疾患だけではなく、すべての問題に当てはまるのです。
よくこんな意見を聞きます。
「お酒を今までも飲んでいたし、急に増えたわけではない。もしお酒が影響していたのならいままでも症状が出ていたはず」と。
この問題は酒樽をイメージすればわかります。
急に症状がでてきたのは、なにかきっかけがあるに違いないと人は思います。
積み上げられてきたもののイメージはしにくいのです。そして急に出てきた症状なので、少し前の状態に戻せば、すぐ治るはずだと思ってしまいます。
急に出てくるのは、ある日突然遺伝子のスイッチが変わったり、自己抗体ができてしまうからです。
でも現実は例えば樽があふれて、アレルギーや自己免疫疾患になった場合、樽の水を少し減らしても、結果はすぐに変わりません。
樽の中を空にして根本原因をすべて取り除けば、時間はかかるかもしれませんが改善します。
【注意】当院では診断は行いません。どうすれば良くなるのかをお伝えするだけです。「かもしれない」「可能性がある」くらいの伝え方はできるでしょうが・・・