こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
乳幼児の子育ては一般の方にはわからないことだらけですね。
不安も多いと思います。
そんな不安を減らしてくれるかもしれない子育て本をご紹介します。
『米国最強経済学者にして2児の母が読み解く子どもの育て方ベスト 』
著者 : エミリー・オスター
訳者 : 堀内久美子 (翻訳)
出版社: サンマーク出版
価格 : 1870円 (税込)
米国最強経済学者にして2児の母が読み解く 子どもの育て方ベスト [ エミリー・オスター ]
とても面白い本でした。
経済学者である著者が100か0かの話しではなく、メリットとリスクを科学的データを基に考えていくという内容です。
現在妊娠中の方や一人目の子どもが生まれたばかりで子育てがお悩みの方におすすめです。
母乳育児のメリットと間違ったデメリット
母乳育児問題や育児問題は100か0かという二元論的な論争になりやすいですが、その問題の根本について初めに書かれています。
『私たちはみんな、いい親になりたいと思っている。自分の選択が正しいものであってほしい。だから選択をした後で、完璧な選択ができたと思い込みたい誘惑に駆られる。心理学的には「認知的不協和の回避」という。
母乳育児をしないと決めたら、母乳育児に少しでもメリットがあることさえ認めたくない。だから母乳育児は時間の無駄だと声高に主張したりする。一方で、もし二年の間、3時間ごとに母乳を与えていたら、これだけのことをしたのだからうちの子の人生は成功だ、と思い込みたくなる。』
本当にその通りですね。
母乳のメリットの記事に対して、ネガティブなコメントがたくさんつくのはこれが理由ですね。
少し話がずれますが新型コロナワクチンの問題に関しても、ワクチンを打った人はリスクなんてあるはずがない、と思い込もうとします。ワクチンを打ってない人はワクチンなんて効果がない・無駄だ、と叫びます。
本当は100か0の話しではないんですけどね。
母乳のメリット
よく論争の元になる母乳問題もメリットをしっかり提示したうえで、科学的に間違ったデメリットも提示しています。
メリットとして挙がっているのは、
- 生後1年間は、母乳栄養の赤ちゃんは感染性胃腸炎(下痢など)が少なく、湿疹や発疹の発症率も少なかった。人工乳には母乳にどんどん近づいていますが、どうしてもまだ現在の技術ではできない問題があります。母乳に含まれる免疫成分のなかには人工的に作れないものもあるからです。
- 早産児の「腸炎リスク」が下がる。母乳は乳児の「新生児壊死性腸炎」のリスクを減らすことができます。これも免疫成分の問題ですね。
- アレルギー発疹の発症減少
- 耳の感染症リスク低減
などです。
母乳育児の間違ったデメリット
逆に母乳育児の間違ったデメリットも紹介しています。
『罪悪感にかられるママへの朗報は、乳幼児期の健康問題以上に、母乳育児の長期的な影響には有力なエビデンスがまったく見つからなかったということだ。』
長期の影響については考察するのが難しいですが、確かに乳幼児期の健康問題以外は大きな影響はないと思います。
母乳育児の母親のメリット
最後に母乳育児の母親のメリットについて書かれていますが、これについては知らない人も多いと思いますので引用します。
『授乳で乳房の細胞に変化が生じ、発がん物質の影響を受けにくくなる。さらに授乳でエストロゲンの生成が低下し、その結果乳がんリスクが低下するのだ。
母乳育児は子どもへのメリットが注目されがちだが、最も大きな長期的効果があるのは実は母親の健康なのかもしれない。』
子育てに不安のある方におすすめの本
その他、乳幼児突然症候群のことや添い寝の問題についてもわかりやすく書かれています。
この本はほぼ偏りが少ない内容ではあるのですが、その中で個人的にちょっと偏っているんじゃないかと思われる部分があります。
それは薬とワクチンのリスクを過小評価しているという点です。
薬とワクチンのリスクはほぼメーカー側の出しているリスク情報しかないためどうしても偏ってしまいます。
リスク情報が出たとしても大きな力が働いて否定される研究記事が必ず現れるのです。
だからリスクの判断がとても難しいのは確かです。
それでもトータルとしては素晴らしい本だと思います。
子育てに不安のある方におすすめの本です。