こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
本日は幸せホルモンセロトニンの材料になるアミノ酸「L-トリプトファン」についてお話しします。

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目次
幸せホルモンセロトニンの材料になるアミノ酸「L-トリプトファン」
L-トリプトファンとは?
トリプトファンとは、体内で合成されない必須アミノ酸の一つです。
L-トリプトファンの役割
- トリプトファンが脳に運ばれると、鎮静作用を持つ神経伝達物質であるセロトニンに、さらには松果体で睡眠誘導ホルモンのメラトニンに変わります。セロトニンの生成にはビタミンB6やナイアシン、マグネシウムなどが必要になります。
- ナイアシン(NAD)の合成
セロトニンの合成機序
L-トリプトファン + (葉酸(ビタミンB9) + 鉄 + ナイアシン(ビタミンB3))
↓
5HTP + ビタミンB6
↓
セロトニン + (SAMe + マグネシウム)
↓
メラトニン
L-トリプトファンを含むもの
基本的には食品中のタンパク質が多いほど多く含まれます。
- 肉
- 魚
- 卵黄
- 大豆
- ごま
- ナッツ
- バナナ
など。
L-トリプトファンが不足すると
- 睡眠障害
- 不安感
- 抑うつ症状
など
L-トリプトファンが不足する原因
- 材料であるトリプトファンはセロトニンの材料になりますが他のアミノ酸(BCAA(=分岐鎖アミノ酸、バリン・ロイシン・イソロイシン))が多いとなかなか通れません。
- インスリン不足(インスリンはセロトニンの通過を助けます)
- キヌレン経路の問題
L-トリプトファン サプリメント
L-トリプトファンが過剰になると
- 肝性脳症(肝硬変の患者様)
- セロトニン症候群(セロトニン過剰による症状)
L-トリプトファンとキヌレン経路
炎症やストレスがあるとトリプトファンはセロトニンを合成する経路よりも「キヌレニン経路」という経路に流れるため、セロトニンの合成が不足します。
キヌレニン経路に流れたトリプトファンからNAD(活性化型のナイアシン)が合成されます。
キヌレニン経路が活性化してしまう原因
感染症の慢性炎症による炎症促進物質がキヌレニン経路を活性化し、結果セロトニン不足によるうつ症状になることがあります。
ナイアシンの摂取不足でもキヌレニン経路にトリプトファンが使われることになるので、セロトニンの合成不足の原因となります。
ナイアシン サプリメント
ナイアシンはナイアシンアミドという形で摂ることにより、ナイアシンフラッシュ(熱感、かゆみ、しびれ、紅潮などを伴う症状)という副作用を抑えることができます。
キヌレン経路でのNAD(活性型のナイアシン)合成がうまくいかないと…
マグネシウム不足があるとキヌレニン経路に流れたトリプトファンはキノリン酸でストップしNAD(活性型ナイアシン)に変換されません。
そして、増加したキノリン酸がグルタミン酸の興奮毒性を高め神経細胞障害がおこります。
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