こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅のホリスティック治療院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
本日はアディクションのお話です。
アディクション(≒依存症)とは?
アディクションとは日本語で嗜癖(しへき)と訳されます。重度なものを依存症と呼びます。
本日はアディクションについての本をご紹介します。
クリーンにしらふで生きるために: 脳内神経生理学に基づく依存脳回復のための自然療法
この本は電子書籍です。自身が依存症のある方やご家族に依存症の問題がある方でないと、面白い内容ではないでしょうね(^^;
依存症を勉強したい方にはおすすめです。
一般向けではないので依存症で困っている方もいるんだ、ということを理解していただければいいと思います。
依存症について原因を1つに絞っているのではなく、精神心理的問題、神経伝達物質の問題を解決するためのさまざまな方法が載っています(※あくまで紹介程度です)。
簡単ではないんだよ、ということをいろいろな方面から書かれています。
- アディクション研究の歴史
- アディクションの原因
- 脳の神経伝達物質について
- アミノ酸の重要性
- ビタミン・ミネラルなどの栄養の話
- さまざまな代替療法
- 鍼治療
- オリキュロセラピー(耳鍼療法)
- 指圧
- カイロプラクティック
- バイオフィードバック
- ボディーワーク
- エッセンシャルオイルセラピー
- カウンセリング
- コーチング
- 呼吸法
- ヨガ
- 運動
- ストレッチ
アディクションについて(本文より引用)
- 残念ながら従来の心理社会的カウンセリング、近年の処方薬治療を受けたアディクション患者の70〜85%は半年1年以内にリラプス(薬物再使用)を起こしています(約50%が1か月以内、65%が90日以内)。
- アルコールを我慢することで、飲んでしまったのと同じくらい不快な症状がアディクション患者にはあるのです(現在のアディクション治療が注目している点です)。
- 分かったことは長期的な禁酒は難しいということです。それは意志の力とセルフコントロールの問題だけではありません。酒をやめて生きていくという単純な話ではありません。アディクションには生理学的・生化学的関連症状があるのです。
- 我々が離脱後慢性症状と呼んでいたのは薬物を止めた事による症状ではなく、元々あった症状を薬物などで紛らわしていた、それがまた出てきただけのことだったのです。
- アディクションは基本的に脳の疾患であり、生化学的アンバランス状態がリラプスの原因となる離脱後慢性症状を起こしています。・脳内伝達物質の回復なしに断薬した場合、多くは苦痛、不安、混乱、抑うつで苦しむことになります(実際アルコール依存症回復者の25%が最終的に自殺をすることが報告されています)。心理的、社会的、精神的のみにアプローチする方法では成功率は20%未満です。理想的なアディクションの治療法は生化学的なアプローチに、カウンセリング・患者教育を組み合わせたものでしょう。・脳を回復させるための代替療法が優れた効果を出しています。特に経静脈あるいは経口アミノ酸療法は70〜75%の成功率を示しています。しかし残念なことにまだあまり知られていません。
- 現在、治療は新しい時代に入っています。この分野はこれから飛躍的に進歩するでしょう。アミノ酸療法、脳波バイオフィードバック、オリキュロセラピー、栄養療法、カウンセリング、ライフマネージメントスキルの併用はアディクションからの回復を可能にします。それはリラプス予防に留まらず、健康で快適なしらふ状態を実現します。
- しかし、アディクション患者たちは薬物使用について理に合った論理的な脳で考えてはいません。変わりにアディクションは私たちが食べたり、飲んだり、逃げたり、戦ったりすることを命じる生存に関わる脳の構成部分である大脳辺縁系によっています。つまり、大脳辺縁系は私たちを生かし続けるための働きをする脳の構成部分です。それは生存のための身体の必要性を監視して、私たちの生存がある行動によっていると感じると非常に強い強迫性を起こしその行動を取ることを止めることは極端に困難なこととなります。それがないと私たちは息をしたり、食べたり、生殖を忘れてしまうかもしれません。
- 脳のこの部分がアディクション患者に、その物質を取りなさい、さもないと命がないと命令します(そして、時にはそれが事実です)。この脳の部分が飲酒や薬物の快楽がひどい痛みに変わった後でさえもアディクション患者の考えを支配するのです。
脳内神経伝達物質について(本文より引用)
- 神経伝達物質は脳内の神経細胞でアミノ酸から生成されます。(この後アディクション患者の脳を癒すためのアミノ酸の重要性についてお話しすることになるので覚えておいてください)セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリン、ガンマアミノ酪酸(GABA)、タウリンそしてオピオイドペプチド(エンドルフィン、エンケファリン、ダイノルフィンで全体的にオピオイドと呼ばれる)、とグルタチオンがアディクションのプロセスに関連するキーとなる神経伝達物質です。
- セロトニンは人の集中力を改善し、良い気分、リラックス、充足感、安心感を高めます。不足はうつ、睡眠障害、集中力不足、混迷、攻撃性や暴力、砂糖や炭水化物渇望および痛みに対する感覚を高める原因となります
- ドーパミンとその誘導体であるノルアドレナリンは覚醒を増強させ、意識、活力とエネルギーを高めます。思考能力を高め筋肉の協調を改善させます。不足は無気力や虚弱を引き起こし、うつ、震えやその他のパーキンソン氏病に起こる運動障害、そして注意欠陥多
- 動性障害の多くの症状を起こします。過剰は心配、恐れ、過度のエネルギー、暴力、そして統合失調症や妄想を起こします。セロトニンのレベルが低く、ドーパミンのレベルが高い時はうつと不安が同時に起こります。
- オピオイドオピオイドペプチドであるエンドルフィン、エンケファリンとダイノルフィンは強力な自然の鎮痛物質です。それらは痛みや身体疲労に対して過剰に生成される受容体で、痛みの信号の伝達をブロックします。それらはまた他の神経伝達物質と結合して多幸感を作ります。
- GABA一般的に身体の自然なトランキライザーと呼ばれ、GABAは心をリラックスさせ、不安を減らし、ストレスに関連する信号をブロックします。正常では脳が十分なGABAを生成しますが、環境因子がGABAのレベルを枯渇状態にしてしまうことがあります。この重要な物質の不足は不安、いらだち、不眠の原因となります。
脳神経伝達物質についての過去記事
⇒ ド-パミン
⇒ アセチルコリン
⇒ セロトニン
⇒ ギャバ
⇒ グルタミン酸
脳内の神経伝達物質の問題は重要ですが、それだけで解決するのはなかなか難しいポイントもあります。
アディクション(≒依存症)でお悩みの方、ぜひご相談ください。
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