感音性難聴/大阪市阿倍野区より来院

感音性難聴（かんおんせいなんちょう）とは、音の伝わり方に問題が生じて、聴力が低下する難聴の一種です。この種類の難聴では、音が耳の中の感覚細胞や聴覚神経に正しく伝わらず、脳で音を認識することができません。

感音性難聴の原因
感音性難聴は主に以下のような原因で発生します：

内耳の障害：

内耳にある蝸牛（かぎゅう）や聴覚神経に問題がある場合、音を脳に伝えることができなくなります。例えば、蝸牛内の有毛細胞が損傷したり、死んだりすることで音の情報が適切に伝わらなくなります。
加齢（加齢性難聴）：

年齢を重ねることによって、内耳の有毛細胞や聴覚神経が徐々に機能しなくなることがあり、これが原因で感音性難聴が進行することがあります。
音響外傷：

長時間にわたって大きな音に曝露されたり、爆音などに遭遇すると、内耳の有毛細胞が損傷し、感音性難聴が生じることがあります。これを音響外傷と言います。
遺伝的要因：

生まれつき感音性難聴を持っている場合や、遺伝的に聴力が低下する傾向がある人もいます。
病気や感染症：

メニエール病、風疹、流行性耳下腺炎（おたふくかぜ）などが原因で感音性難聴になることがあります。
薬物の副作用：

一部の薬剤、特に耳に影響を与える可能性のある薬（例えば、強い抗生物質や抗がん剤）を使用すると、感音性難聴が発生することがあります。
症状
感音性難聴の主な症状には次のようなものがあります：

音が聞こえにくい：特に高い音や会話のような音が聞き取りづらくなることが多いです。
難聴の進行：最初は軽度から中等度の難聴から始まり、進行することもあります。
耳鳴り（耳鳴りが併発する場合もある）：音が聞こえにくくなるとともに、耳鳴りが発生することがあります。
診断と治療
感音性難聴の診断には、聴力検査や画像診断（CTスキャンやMRIなど）を用いることがあります。治療方法としては、原因に応じて以下の方法が考慮されます：

補聴器の使用：聴力が低下している場合、補聴器が有効です。音を増幅して聴覚を補助します。
人工内耳：進行した感音性難聴に対しては、人工内耳が有効な場合もあります。これは内耳の機能がほぼ完全に失われた場合に、聴覚神経に直接音を伝える装置です。
薬物治療：原因が感染症や炎症などであれば、適切な薬物治療が行われることがあります。
予防：音響外傷を防ぐための耳の保護や、薬剤による影響を避けることも予防に繋がります。
感音性難聴は、治療が難しい場合もありますが、早期に適切な対応を取ることで、生活の質を保つことができます。