こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
今日は、養老節炸裂の本をご紹介します。
猫も老人も、役立たずでけっこう NHK ネコメンタリー 猫も、杓子も。 [ 養老 孟司 ]
本文の文章を引用し、思うところを書きます。
『動物は感覚がとらえる、違いの世界に生きている。(途中省略)では、なぜヒトは「同じ」にしようとするのか。それは、感覚から入ってきたもので意識が乱されるのが嫌なんです。そのために。感覚入力をできるだけ遮断する。視覚でも聴覚でも、感覚から入ってくるものを意味のあるものに限定し、最小限にする。(途中省略)感覚から入ってくるいろいろなものの中から意味を発見することがなくなり、すべてのものに意味があるようにしてしまった。』
⇒ まさにマインドフルネスの状態ですね。
マインドフルネスとは、五感から入ってくる情報に対して、 評価や判断を一切せず、その状態をありのままに観察する瞑想のようなものです。
特に現代は情報が過多の時代ですから、入ってくる情報の中から意味があるものだけを拾わないと混乱して生きていけないんですね。
『私も患者として病院に行くことがありますが、行ってもすぐには診てもらえません。(途中省略)ようやく医者と向き合うとどうなるか。検査結果しか見ていない。(途中省略)つまり、必要なのは患者に関する情報であって、本人はいらない。医者はそう思っているんです。』
⇒ 私も反省すべきことはあるかな、と思います。
時々、フィシオエナジェティック検査で出ている内容ばかり見てしまったり、症状ばかりに焦点を当てすぎてしまうことがあります。
そんな時はクライアント様自身をきちんと見ていないということです。
『子どもが増えないのは、根本的に都市化と関連しているからだと、私は思います。都市は意識の世界であり、意識は不確定要素の多い自然を嫌います。つまり人工的な世界は、まさに不自然な世界なんですよ。ところが子どもは自然でしょう。思うようにならない。予定通りにいかない。設計図もない。欠陥品だからと言って取り替えるわけにはいかない。そういう存在を意識は嫌うんですよ。(途中省略)そういう考え方をしていたら、そりゃ子どもは減るに決まってますよ。そんな危ないもの誰がつくるかって。猫のほうが気が楽でしょ。』
⇒ 私自身、子育てを苦に思ったことは一度もありません。
主夫として1年半くらい子育てをしていたこともあります。もちろんそう思えるのは妻の支えがあってのことです。
それは私自身の考え方のせいもあると思います。
私は子どものことを「赤の他人を預かっている」という気持ちでいます。
冷たいと思われるかもしれませんが、血がつながっているなどと過信し、血がつながっているので子どもが何考えているかわかっている、なんて思い込んだら怖いと思うからです。
思い込んでしまうと親が子どもをコントロールしようとしてしまうのです。
もちろん子どもにはいろいろな性格がありますから、大変な性格の子どもいると思います。
それは親の責任ではありません。
『心に個性があると思い込んで「個性を伸ばせ」などと言っているから無茶苦茶になってしまうんです。個性というのは最初に与えられた身体です。イチローのように打ってみろ、大谷翔平のように二刀流やってみろと言われても、普通の人はマネできないでしょう。なぜできないのか。それが個性だからですよ。ではどの程度までマネできるのか。先ほど言いましたね。十年、二十年と師匠のマネをして折り合わないのが個性だと。そのくらいの時間をかけなければ、個性なんて見えてこないものなのです。』
⇒ みうらじゅんさんが違う表現で同じことを言ってましたね。
個性を知るには時間がかかるのです。
みうらじゅん『「その人になりたい!」と思って、必死で真似をしているとき、自分はなくなっています。その人になりたいと思って、できるだけ真似をする。つまり誰かを好きになって夢中になる、という癖をつければいいのです。それは、自分をなくしていく技術を獲得することでもあるのです。そして、リスペクトする人をどうしても真似しきれなかった余りの部分、いわゆるそれが「コンプレックス」と呼ばれるやつですが、そのコンプレックスこそが「自分」なのであって、これこそが「個性」なのです。』
⇒ 二人とも真似という言葉を使っておられますね。
最初はすべて真似をすることなんです。真似をしても真似できなかった部分が個性なんだと。
やっぱりすごい人は同じことを考えるんですね。
『脳は、非常に適応性が高い。だから、変わるんです。でも、人間はそれに気づいていない。感覚を通して変わっても、自分が変わったとは思っていないんです。それは意識が騙しているんですね。「私は私でしょ」「昨日の私と今日の私は同じ」なんて意識は言い続けるものなんです。(途中省略)自分が変わると世界が違って見えますから、退屈しませんよ。よく若い人たちが「退屈だ」とぼやいているのは、自分が変わっていないから。それでいつも世界が同じに見えているんです。』
⇒ どんなことでも面白がれる人もいれば、何をしてもつまらないという人もいます。
どんどん自分を変えていける人もいれば「自分はこういう人間」とレッテルを張って生きている人もいます。
私が自分って簡単に変わるんだ、ということを気づかせてくれたのはボディートークと出会ったからです。
⇒ ボディートーク療法について詳しくはこちら
『身体の構造って非常に複雑なものです。だから、昔のヨーロッパでは人体を「小宇宙」と言った。今の人は「小宇宙」という感覚を持っていないんじゃないですかね。それこそ、医者に行けば、身体の全てのことがわかると思い込んでいませんか。検査をして、血糖値が高いとかコレステロール値がどうだとか。そんなの全然関係ないですよ。』
⇒ 養老先生はいつもおっしゃっていますが、どれだけ身体を調べてもわからないことだらけだ、とおっしゃっています。
逆に言うとわかったつもりになってはいけない、ということだと思うんです。
『はっきり言って、今の人はバカだと思いますよ。だって身体のことを頭で心配しているんですから。どちらが信用できると思いますか。身体は何億年か生き延びてきていますが、「イコール」がわかるような脳みそなんか、たかだか出来て20万年ですよ。受精卵の時はたったの0.2ミリだった卵が、どうして自分たちみたいになるのかもわからないくせに、なんで身体に言いの悪いのわかるんですかね。いい悪いと言っているのは、現代の生活が前提になっているからでしょう。だから山の中に入って昔の人のような生活をしたら、今の食べ物が合うかというと合わないんじゃないですかね。わかるんじゃないですか、そんなこと。だから猫だって自分で調整してもらうしかないんです。中毒を起こすようならたべないですしね。そういう意味での安心感、自分の身体に対する信頼感ってどんどんなくなってきている。脳みそと身体、どっちを信頼するのかといったら、私は脳みそは信用しませんな。』
⇒ 皆、脳みそに振り回されていますよね。
私もその一人です。実際にどの食べ物を食べてはいけないのか、食べると役に立つのか、は身体が反応しているんです。
養老先生の言う身体とは無意識も含まれていると思います。その身体の反応に気づけていないんですね。
自然で暮らす動物は身体の反応に気づき、毒を避け必要な栄養素を選んで食べているんです。
でも今さら山の中に入って昔のような生活をするのは大変ですよね。
おそらく毒を食べてすぐに死んじゃうでしょうね。