こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
先日このような記事を見ました。
『実際に、関節リウマチや全身性エリテマトーデス(SLE)、多発性硬化症などの自己免疫疾患では、患者の血液や病変部位でTh9細胞とIL-9の増加が認められています。特に関節リウマチでは、Th9細胞が関節滑膜に浸潤し、IL-9を介して炎症反応を促進していることが報告されています。』
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/d182ab84d4ecd8d3d50741020d626c642dee7303 より引用
ヘルパーT細胞Th9細胞とインターロイキンIL-9と関節リウマチ
上記の記事は根本原因の話しではなく、結果的に関節リウマチの患者様にヘルパーT細胞の一種であるTh9細胞とその細胞が作る炎症促進物質IL-9(インターロイキン9)が炎症反応を促進しているという内容です。
ではヘルパーT細胞やインターロイキンって何でしょうか?
ヘルパーT細胞とは?
ヘルパーT細胞は免疫担当の白血球の中の一種です。
白血球には顆粒球と単球、リンパ球があります。
リンパ球はT細胞(獲得免疫)・B細胞(抗体をつくる)・NK細胞(ナチュラルキラー細胞)に分類されます。
ヘルパーT細胞は獲得免疫に関係するT細胞に分類されます。
骨髄で作られたナイーブT細胞は、ヘルパーT細胞(Th1、Th2、Th9、Th17など)や細胞障害性T細胞(キラーT細胞)、制御性T細胞(Treg細胞)などに分化します。
免疫反応をコントロールするインターロイキン(IL)などのサイトカインを分泌し、免疫をコントロールします。
ヘルパーT細胞の種類
わかっている主なヘルパーT細胞としてはTh1・Th2・Th9・Th17などがあり、それぞれが炎症促進物質(IL(インターロイキン)やTNF-αなど)を放出し免疫反応を促進させます。
- Th1(細菌やウイルス対応) ⇒ IL-2,TNF-α,IFN-γ
- Th2(寄生虫対応、結果的にアレルギー反応) ⇒ IL-4,IL-5(好酸球),IL-13 ⇒ IgE抗体
- Th9 ⇒ IL-9
- Th17 ⇒ IL-17
IL-12(マクロファージや樹状細胞が産生) ⇒ Th-1活性
IL-23(マクロファージや樹状細胞が産生) ⇒ Th-17活性
インターロイキン(IL)とは?
IL(インターロイキン)はサイトカインの一種です。
サイトカインは炎症を調節する生理活性物質です。
現在ではIL-1からIL-39まで約40種類が見つかっています。
主に白血球が作りますが、白血球以外の細胞によってつくられるものもあります。
インターロイキンは主に免疫系の細胞増殖・分化・活性化・細胞死の制御に係わります。
サイトカインの種類
サイトカインにはインターロイキンを含め下記のようなものがあります。
- 炎症性サイトカイン ⇒ TNF-α、IL-6、IL-1、IL-18など
- 抗ウイルス作用を持つサイトカイン ⇒ Ⅰ型インターフェロン(IFN-α、IFN-β)
- TNF-α(マクロファージが産生) ⇒ インスリン抵抗性
- IL-4(好塩基球が産生) ⇒ アレルギー反応、特に喘息
炎症は治癒反応です
先日、このような記事を見つけました。
『アトピー性皮膚炎の治療薬として注目されているデュピルマブですが、最近、この薬を使用中の患者さんで菌状息肉症と呼ばれる皮膚リンパ腫を発症するケースが報告されています。
菌状息肉症は、皮膚の表面にできる紅斑(こうはん)や硬く隆起した局面などの症状が特徴的で、進行すると全身の皮膚に広がったり、リンパ節や内臓に広がることもある難治性の疾患です。
デュピルマブは、アトピー性皮膚炎の炎症を引き起こす IL-4とIL-13という物質の働きを抑える抗体製剤ですが、皮膚リンパ腫の発症メカニズムにこれらの物質が関与している可能性も指摘されています。
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/0562d967d3c510f775f933d50e1a56ea386e1b1e より引用
最近いろいろなタイプの抗炎症薬が出てきています。
過剰な炎症は問題ですが、本来炎症は治癒反応の一部です。
炎症を止めるということは正常な治癒反応も止めるということ。
過剰な炎症を止めるには根本を改善させる必要がありますが、西洋医学はただ炎症物質をとめているだけ。
当然のことながら、必ず副作用があります。