こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
骨粗鬆症を防ぐのにカルシウムが重要、と昔はよく言われました。
今でも「骨粗鬆症の予防にカルシウムや牛乳を摂取している」という話しを良く聞きます。
う~ん!?
それで本当に骨が強くなるんでしょうか?
答えは「No」です。
西洋医学でもは骨粗鬆症の治療にビタミンD製剤を使い、カルシウム製剤は使わないケースが増えてきています。
それはなぜなのでしょうか?
カルシウムは骨粗鬆症を防ぐ!?
骨粗鬆症を防ぐのにカルシウムを!、ということで牛乳を飲みなさいと言われ飲んでいた人も多いと思います。
ところが現実は牛乳を飲んでも骨は強くならないばかりか、骨粗鬆症や骨折が増えるという世界中のデータが集まってきました。
カルシウムは昔はたくさん必要な栄養素とされていましたが、今はそれほど重要視されません。
もちろん、全くいらない栄養素ではありませんが、サプリメントで摂取する必要はほとんどありません。
まずはカルシウムの役割について考えてみます。
カルシウムの役割
カルシウムの役割について説明します。
体内で最も多いミネラルですが、そのほとんど99%は骨や歯の成分です。
残り1%は、
- 筋肉の収縮
- 情報伝達(神経伝達)
- ホルモン分泌
- PH調整
- ヒスタミンの分泌
- 酵素の活性化
などに使われます。
カルシウムが不足すると…
カルシウムが不足すると、
- 骨粗鬆症
- くる病
- 情緒障害
などの問題が起こる可能性があります。
でも現実にはカルシウムが不足することはほとんどありません。
カルシウムが過剰になると・・・
逆に骨にカルシウムが貯蔵できず骨以外のところにあると様々な問題が起こります。
カルシウムが過剰になると、
- 筋肉の緊張(つり、肉離れ、寝違いなど)
- 動脈硬化
- 石灰化
- PH異常(アルカローシス)
- アレルギーの亢進
などの問題が起こるかもしれません。
何故カルシウムが重要視されなくなってきたのか?
何故カルシウムが重要視されなくなってきたのでしょうか?
- 乳製品そのものに副作用がある
- カルシウムをとっても骨密度は上がらない
- 心臓病や動脈硬化の原因になる
- さまざまな場所で石灰化を引き起こす
- そもそも骨密度と骨折の因果関係がない
カルシウムとマグネシウムのバランスが重要です
カルシウムを摂取するのは食べ物で、そしてマグネシウムもたくさん含む物を食べましょう
重要なポイントは拮抗作用、そして協力作用の両方を持つマグネシウムとのバランスです。
⇒ カルシウムとマグネシウムのバランスについて詳しくはこちら
- 小魚
- 干しエビ
- 海藻類
- 魚介類
など。
骨粗鬆症でも骨折しない!?
以前セミナーでフィシオエナジェティックを教えているオーストリアのラファエル先生が、こんな事をおっしゃっていました。
「カルシウムがなくても骨は折れない」!?
正直、最初聞いたときは本当かな?と思いましたが、よくよく考えてみるとそうかもしれない、と思います。
何故なのか?については骨の構造を考えるとわかります
骨の構造
鉄筋コンクリートのビルをイメージしてみてください。
コンクリートがカルシウムに相当します。
コンクリートが無くなるとビルは倒れるでしょうか?
倒れません。
鉄筋だけでも構造物として崩れないんです。
では鉄筋に当たるものは何なのか?というとコラーゲンです(厳密には後ほど説明します)。
コラーゲンがしっかりしていれば、カルシウムがなくても折れません。
厳密にはコラーゲンを鉄筋だとするとエラスチンというタンパク質が鉄筋を止めるボルトのような役割をします。
コラーゲンとは?
コラーゲンとは人間の様々な組織に利用されるタンパク質からできた繊維で膠原繊維とも言われています。
人のタンパク質の30%を占め、真皮・靭帯・腱・骨・軟骨・円板などの材料になります。
コラーゲンはどのように作られるのか?
アミノ酸(Lシステイン・Lメチオニンなど)から合成されるのですが、その合成の過程で重要になる栄養素があります。
- マグネシウム
- モリブデン
- マンガン
などのミネラルとビタミンCです。
これらが不足するとコラーゲンの生成ができません。
タバコはビタミンCを大量に消費しますのでコラーゲンの生成に影響します。
コラーゲンを変性させるもの
コラーゲンを変性させるものとして、AGE(終末糖化産物)とホモシステインがあります。
これらは鉄筋の部分を劣化させます。
- AGE(終末糖化産物)AGEsは糖とタンパクがくっついた物質で生体内には約40種類あるとされ、代表的なものには糖尿病の測定で使われるヘモグロビンA1cがあります。
- ホモシステインホモシステインはLメチオニンという必須アミノ酸の代謝過程ではできる中間生成物質です。ホモシステインは骨粗しょう症だけではなく動脈硬化の原因にもなりますが、理由はコラーゲンを破壊するからです。さらにホモシステインは活性酸素を大量に発生させるためAGEを増やす原因にもなります。
AGEの蓄積を防ぐ方法
AGEの蓄積を防ぐ方法として、
- 果糖、ブドウ糖、砂糖の摂取を減らす(とくに清涼飲料水に使用される果糖ブドウ糖は要注意)
- 出来るだけ加熱しないものを食べる(とくに高温になる揚げ物には要注意)
- 活性酸素の発生を抑える抗酸化物質を摂取する(⇒ 活性酸素についてはこちら)。
などがあります。
ホモシステインの発生を抑えるには
ホモシステインの発生を抑えるには、
- ホモシステインの代謝には、ビタミンB群(特にビタミンB6、葉酸、ビタミンB12)が必要になります。
- カフェインはビタミンB6を大量に消費しますので控えましょう。アルコールもビタミンB群を消費します。
などの工夫が可能です。
骨のコンクリート部分に重要なもの
コンクリートに当たる部分において重要なのは、カルシウム以外にもあります。
- シリカ(ケイ素)はコラーゲンにカルシウムが引っ付くのを助けます。
- ムコ多糖はコンクリートの強度(粘度)を上げる物質で、生成にマンガン・マグネシウム・Lグルタミンなどが必要になります。
このようにカルシウムは材料の一つに過ぎず、骨を強くするには他に様々な要素があるんです。
実際に大腿骨頭骨折は骨粗鬆症でなくても起こるそうです。
骨粗鬆症で引っかからないからといって安心できないですね。
どちらかというとカルシウムは骨を強くするというよりは骨がカルシウムの貯蔵庫で身体の調整に使われています。
ですのでマンガン・マグネシウム・Lグルタミン不足などによりカルシウムが保存できないと様々な問題にもつながります。
牛乳が骨を強くしない原因はいろいろありますが、その一つに牛乳はカルシウムが多くマグネシウムが少ないので骨につかず他の部分についてしまうからです。
ですのでカルシウムよりはマグネシウムが重要になのです。
マグネシウムはコラーゲンやムコ多糖の材料にもなりますからね。