こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】 IBA認定ボディートーク施術士(CBP)の鹿島 佑介です。
ボディートークの上級コース「パラマ理論」の中にはテンセグリティという概念が含まれます。
テンセグリティについて書かれた本は少ないですがご紹介します。
テンセグリティとは?
この書籍の中にテンセグリティについて書かれています。
『テンセグリティとは、1948年に建築家であるR・バックミンスター・フラーによって考え出された構造エネルギー的概念で、ジオデシックドーム(測定線に沿って直線構造材を連結したドーム)やテント、帆船の帆、木の柱とワイヤーで組み立てた彫刻、玩具などの構造に生かされている。』
玩具というのはこのようなものです。
マンハッタントーイ (MANHATTAN TOY) スクイッシュ クラッシック MAN200980
木のおもちゃどんな方向から力をかけても、全体でバランスをとるために元に戻ります。
身体構造もテンセグリティ構造になっています。
『テンセグリティ構造の特徴は、連続する引っ張り材(生体では腱に相当する)と、それを支える不連続な圧縮材(支柱)で構成されているところである。このうような構造によって、どのような力がかかっても効率的に対応できるような、ダイナミックで安定した構造物が可能になる。』
少ないですが建築物にもなっているようです。
玩具のほかにも、さまざまな分野で活用されているようです。
人間の身体も、外からどのような力がかかっても、別の部分がバランスを取ろうとします。
『テンセグリティという概念は、生体の構造にも、本書の主題でもあるエネルギー(情報)伝達系にも当てはめることができ、一個の個体全体は、とりわけ脊柱は、テンセグリティ構造とみなすことができる。生体においては、骨が不連続な圧縮材の役割を果たし、筋・腱・靭帯が連続する引っ張り材に相当する。骨と引っ張り材が同時に働くことによって、私たちは姿勢を変えたり、体を動かしたり、物を持ち上げたりすることができるのだ。』
テンセグリティ構造は、人や動物に当てはめると人や動物が持つ不思議な作用について説明することができるのです。
脊柱は見事なテンセグリティ構造です。
どこか一部の筋肉や腱、靭帯などに負荷がかかると、その代償として他の部位に影響することによってバランスを取ります。
身体はつながっているのです。
『さらにテンセグリティの概念を筋膜構造に当てはめると、生体が傷つくことなく衝撃を吸収できる仕組みを説明することができる。』
テンセグリティを人体に当てはめることができます。
例えば、膜構造に当てはまります。
膜構造によって外部からの衝撃を吸収する仕組みをテンセグリティによって説明することができます。
ちなみに、膜構造は細胞外マトリックスだけではなく、内臓や骨組織の中にもあり、細胞の中にさえもあります。
『1909年にゴールドスウェイトが主張したように、生体の一部分のバランスが崩れると、必ず他の部分にストレスがかかるため、ある部位に生じたストレスは常に全身に及ぶ。つまりある組織が硬直したり、収縮したりすると、他の組織の構造や動きに影響が及ぶのである。』
一部の膜組織の収縮(硬直)は、他の膜組織に、そして全身の身体の動きや内臓などの組織の動きにも影響します。
ですので問題のある部位は他の何かの問題による代償かもしれないのです。
例えば、首の筋膜などに問題が起こると代償として首が全く回らなくなることがあります。
これも代償によって全体の構造物としての影響を最小限にしているのかもしれません。
『テンセグリティ構造は力学的な連続体であると同時に、振動エネルギー的にも連続しているので、ある部位に支障が生じると、全体の構造にもエネルギーにも影響が及ぶ。』
例えば、交通事故などの外傷で思わぬところに痛みが出ることがありますよね。
これは二次的に代償することによりバランスを取っているのですが、そのために別の場所に痛みを出すのです。
それでも全体の構造物としての衝撃は最小限にすることができるのです。
足首の問題だけでも全身に影響するのです。
例えば一つの引っ張り材を引っ張ると、その振動が構造全体に伝わります。
例えば身体の膜構造は、東洋医学の経絡エネルギーと関連があります。
膜構造も経絡エネルギーもすべてつながっているため、一つの経絡エネルギーの滞りの問題を全体の経絡エネルギーでバランスを取るのです。
テンセグリティ構造は膜組織だけではなく、インテグリンによって細胞の中にまで及びます
テンセグリティ構造は膜組織だけではなく、インテグリンによって細胞の中にまで及びます。
『テンセグリティ構造は、筋膜だけではなく、細胞や核にも存在する。地球の重力の影響はインテグリンと呼ばれる一連の分子を通じて、全身の細胞骨格にも及んでいるのだ。インテグリンという物質は、近隣する細胞どうしや細胞と周囲の結合組織基質をつなぐ「接着剤」のような役割を果たしている。』
『インテグリンは細胞膜を貫いて、細胞外基質と細胞骨格を張力でつなぐ引っ張り材の働きをしており、インテグリンで連結された構造は、テンセグリティの性質を持つことになる。』
『インテグリンという分子には、生理学、生化学、生体のエネルギーシステム、および感情といったあらゆる要素が集約されており、原理の異なるいずれの治療法にとっても、治療のポイントとなるからである。』
インテグリンという概念は、現代医学ではあまり効かない言葉ですね。
細胞外マトリックスと細胞を結びつけるものです。
テンセグリティの概念をどう理解するか?
テンセグリティの概念は、オステオパシーという整体法の話しの中でもよく出てきます。
テンセグリティの概念を身体に当てはめると、重要なことがわかります。
問題のある部分は全体に影響する
それは、問題のある部分は全体に影響する、ということ。
例えば、右手首に痛みがあったとします。でも原因は右手首にあるとは限りません。
例えば、左足首の問題が右手首の症状としてあらわれることもあります。
例えば、心理的問題や感情の問題ですら全身に症状が出る可能性があるのです。
当院のフィシオエナジェティック検査やボディートーク療法でも、どういうメカニズムでその部分に症状が出ているのか私にもわからないことがあります。
例えば、心理的問題が腰痛の原因だったり、外反母趾の原因がアレルギーであったりすることもあります。
でも、テンセグリティ理論から考えると、どんな症状が出てもおかしくないことがわかります。
やみくもに部分を治してしまうと全体のバランスが崩れることがあります。
例えば、何かの精神的なトラウマをテンセグリティによる代償として筋膜の問題が起こったとします。
せっかくそれでバランスが取れているのに、部分の問題である筋膜の問題を治してしまうことによりトラウマの問題が浮かび上がって全体のテンセグリティ構造を壊してしまうことも考えられます。
私も壊したことがありますし、壊されたこともあります。
例えば、当院で行うフィシオエナジェティックにおいてもボディートーク療法においても必ず「優先」を聞きます。
いくら問題があっても「優先」を無視すると、先ほどの例のように全体のバランスを壊してしまうことがあるのです。
一つ例を挙げると、あるオステオパシーのセミナーにおいて、筋膜を調整しているときに急に私の身体のバランスが崩れたのです。
講師の先生だったので、その先生は「しまった」とおっしゃっていました。
トラウマかな、ともおっしゃっていました。
突然、私の身体は悲鳴を上げ三叉神経痛の激痛が出てきたのです。
そのトラウマの代償に気づいた先生はすごいな、と思いましたが、やはり優先を無視してはいけないんだ、ということに気づかされました。
もちろん、それを乗り越える必要がその時あれば、優先として出ることもありますし、私自身そういう体験をしたことはたくさんあります。
ボディートーク施術後に強烈な落ち込みが起こった後、どうなるかと思っていたら、セッション前より気分がよくなったことがあります。
この理論をクライアント様に説明するのは、なかなか難しいですね。