こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
本日は腸脳相関についての話しです。
腸脳相関とは?
腸脳相関とは、脳と腸がお互いに密接に影響を及ぼしあっている、という概念です。
脳腸相関(のうちょうそうかん、brain-gut interaction)とは、ヒトにおいて脳の状態が腸に影響を及ぼし、逆に腸の状態も脳に影響を及ぼす現象である。脳と腸は自律神経系やホルモン、サイトカインなどの液性因子を介して密に関連していることが知られている。この双方向的な関連を「脳腸相関」(英:brain-gut interaction)または「脳腸軸」(英:brain-gut axis)と呼ぶ[1]。これは成人だけではなく子供にも見られる
例えば、過敏性腸症候群は精神的な問題と関連しています。
ですが当院の臨床では精神的問題が過敏性腸症候群を引き起こすよりも腸内環境が精神的問題を作る方が多いです。
抗生物質により人格が変わってしまう人もおられました。
実際に過敏性腸症候群の問題はフィシオエナジェティックで調べると、ほとんどが腸内環境の問題かHPA軸の問題で精神的問題ではありません。
⇒ フィシオエナジェティックについて詳しくはこちら
腸内で作られたセロトニンは脳に作用するのか?
腸内で幸せホルモンであるセロトニンが作られるからという説があります。
私個人的にはそれは違うと思っていますが、腸と脳がお互いに繋がっているのは確かです。
下記の本の中はこう書かれています。
『腸と脳は迷走神経でつながっており、腸内の神経伝達物質セロトニンが脳血液関門を通らずに迷走神経を通して脳に作用する』
あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた (河出文庫) [ アランナ・コリン ]
うーん、本当でしょうか?
下記の内容はあくまで個人的な考えです。
腸内のセロトニンは脳脊髄系の中のセロトニンとは作用が違うし、腸内のセロトニンは脳には影響しない、と思っています。
でも、
- 腸(腸内環境(腸内のマイクロバイオータ))は迷走神経を通して脳に影響する
- リーキーガット症候群は脳に大きく影響する
- 腸内にカビが増えるとカビの毒素が脳に大きく影響する
ということは事実だと思っています。
腸は第2の脳
最近まで脳が腸を自律神経を介してコントロールしていることが信じられていました。
でも最近、実は腸から脳に上行していく神経線維の方が、脳から腸へと下行してくる神経線維よりずっと多いことがわかってきています。
腸の情報を脳に送っているんですね。
これが、腸が第二の脳と言われる所以です。
要するに、腸は脳に大きく影響しますし気分にも大きく影響しますが、セロトニンにこだわる必要はないのではないか、と思うのです。
まあ、今の段階で細かい機序はわかりませんが、腸の環境が脳に影響しているのは間違いありません。
決して考えを否定しているわけではなく腸脳相関はとても重要な概念なのです。
今から言うことは個人的見解であってエビデンスがあるわけではないです。
- もし腸内セロトニンが脳に影響するのなら、イ〇ボーなどの過敏性腸症候群の薬(腸の蠕動運動に関わるセロトニンの受容体を阻害し、セロトニンを抑制する)は脳に影響する??
- 口からセロトニンを摂取したら脳内のセロトニンが増える?
おそらくどちらも「No」だと思うのです。
おそらく口からセロトニンを摂取しても食中毒様症状(下痢症状)が起こるだけだと思います。
脳はできるだけ食べ物によって気分が変わらないように血液脳関門によって守られています。
神経伝達物質であるセロトニン・ギャバ・ドーパミン・アセチルコリンなどは口から摂取しても脳に影響しないようになっているのです。
現実的にセロトニンそのものやギャバそのものは薬になっておらず、SSRI( 選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やベンゾジアゼピン系(ギャバ受容体においてギャバの作用を強める)の薬を使うのです。
ただし、その血液脳関門を通ってしまい気分に左右してしまう物質も現実にはあります。
例えば、カフェイン・覚醒剤・アルコール(アセトアルデヒド)・タバコ・グルタミン酸ナトリウム(調味料(アミノ酸等))などの物質です。
いずれ腸脳相関がきっちり科学的に説明できる時代が来るとは思いますが、それは神経伝達物質セロトニンではないというのが、私個人的な感想です。
もしかしたらセロトニン以外の物質やホルモンかもしれませんし、迷走神経(副交感神経系)の作用かもしれません。