こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
先日、不安行動とタウリンに関するこのような記事を見つけました。
『私たちの腸内には多種の細菌が存在しており、その多様性が崩れた状況(ディスバイオーシス)は、種々の疾患に関わることがわかっています。また、腸と脳は相互に影響を及ぼしていることが知られており、この関係は脳腸相関とよばれています。たとえば、腸内環境に影響を与えるプロバイオティクスとして知られる乳酸菌によって、不安行動が軽減される事例が報告されています。』
『腸と脳は相互に影響を及ぼしていることが知られており、この関係は脳腸相関とよばれている。
腸内細菌 P. sabiae を投与した水槽でゼブラフィッシュ*1を飼育すると(細菌投与ゼブラフィッシュ)、その後の不安行動が軽減された。
細菌投与ゼブラフィッシュの腸内細菌叢およびそのタウリン代謝能力が変化していることが予想された。
抗不安作用が報告されている神経伝達物質タウリンの細菌投与ゼブラフィッシュ脳内での濃度が上昇していることを明らかにした』』https://research-er.jp/articles/view/119303 より引用
腸内細菌が直接タウリン生成に影響する機序は正直、正確には説明できません。
乳酸菌不足 ⇒ リーキーガット症候群 ⇒ 肝臓への負担 ⇒ タウリン不足?
肝臓がつくる胆汁酸 + 腸内細菌の問題 ⇒ タウリン不足
ではないかと思っています。
とりあえずはタウリンにいて説明します。
不安行動とタウリン
含硫アミノ酸化合物の一つで、体内で合成される非必須アミノ酸です。
タウリンは栄養ドリンクの成分として有名ですね。
乳幼児はタウリンの合成能力が低いので、母乳の中にタウリンが含まれています。
タウリンは、システインやメチオニンという含硫アミノ酸から合成され、そのタウリンの生産にはビタミンB6, ビタミンB12などが必要になります。
女性ホルモンのエストロゲンが肝臓でのタウリンの合成を減少させる働きがあるので、女性のほうが不足しやすいと言われています。
タウリンの役割
タウリンの役割は、
- 胆汁酸の合成・分泌(タウリンは胆汁酸の主成分です。胆汁酸が減ると胆石ができやすいくなります)
- コレステロールを減らす(胆汁生成の際にコレステロールを使います。)
- 細胞膜の保護や修復(網膜にはたくさんのタウリンが含まれており、網膜の機能維持にも必須の成分です。)
- 肝臓の解毒機能を強化
- 肝細胞の再生促進
- 抗酸化作用
- ギャバの受容体を刺激する抑制性神経伝達物質としての作用があります。グルタミン酸による神経興奮を抑制します。精神を落ち着かせる作用があります。
- 神経伝達物質アセチルコリンを増やす
- 筋肉の収縮(全体の50~80%のタウリンが筋肉もしくは心臓に存在しています。)
- 新生児の脳や網膜の発育を助ける
- 骨密度を高める
- 免疫を増強する
- 腎臓の能力を上げる
などです。
脳神経伝達物質ギャバが不足すると不安行動につながるのです。
タウリンはギャバ受容体を刺激するので、不安行動が抑えられるという仕組みです。
ちょっと話はそれますが脳神経伝達物質ギャバについて説明します。
ギャバの役割
ギャバの役割としては、
- グルタミン酸による興奮を抑制する
⇒ グルタミン酸について詳しくはこちら - ドーパミンなど興奮系の神経伝達物質の過剰分泌を抑えて、リラックス状態をもたらす。
⇒ ドーパミンについて詳しくはこちら
ギャバを増やす作用のある薬には、精神安定剤や睡眠導入剤があります。
ギャバ不足によって起こる症状
ギャバ不足によって起こる症状としては、
- 不安感が強くなる
- うつ症状
- いらいら
- 不安神経症
- 不安行動
- 強迫神経症(ひとつの事が気になると止まらなくなる・歪みが気になることが多い)
- 強迫性障害
- 攻撃的な行動が多くなる
- 視線を合わせる事が少なくなる
- 睡眠障害、不眠症
- 頭痛
- 息切れ、呼吸が浅くなる、動悸、血圧上昇
- アレルギーにかかりやすくなる
- 斜頚のようなテタニー(手足に起こるしびれ)
- 嚥下障害
- てんかんのような痙攣
- 不随意運動(ジスキネジー)
- 大腸の問題(適正な消化管の運動)
- 眼球運動異常(焦点が合わない、両方の視線が内向きに鼻の方に向いてしまう、視線が水平か上下にさまよってしまう、など)
などがあります。
ギャバ不足の原因
ギャバ不足の原因としては、
- 有害な重金属(水銀など)
⇒ 有害な重金属について詳しくはこちら - 栄養不足(ビタミンB群、亜鉛、マグネシウムなど)
- タウリン不足
- 必須脂肪酸不足
⇒ 必須脂肪酸について詳しくはこちら - 電磁波の影響
⇒ 電磁波について詳しくはこちら
などがあります。
ギャバというサプリメントがありますが、口から摂取したギャバは血液脳関門を通れないため役に立ちません。
脳の中のギャバは脳の中で独自に作られます。
タウリンが減る原因
タウリンが減る原因としては、
- L-システインやL-メチオニン不足
- ビタミンB6、ビタミンB12不足
- 亜鉛・マグネシウム不足
- ホモシステインの上昇(葉酸、ビタミンB6、ビタミンB12不足の影響)
- 肝臓機能低下(乳酸菌不足 ⇒ リーキーガット症候群 ⇒ 肝臓への負担 ⇒ タウリン不足?)
- 胆汁酸不足
などです。
タウリンを含む食品
タウリンを含む食品としては、
- イカやタコ
- 貝類
- 甲殻類
- 魚類
などです。
※いわゆるカフェインの入ったようなタウリン入り栄養ドリンクは、カフェインがビタミンB6を消費しタウリンの効果を打ち消してしまいますので、役に立ちません。
タウリンサプリメント
California Gold Nutrition, L-タウリン
※上記のサプリメントは合わない人もおられますので、自己判断での長期摂取はご注意ください。