こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法治療院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
皮膚のかゆみの原因をフィシオエナジェティック検査で調べると、肝臓の機能低下(肝臓病など)が原因しているケースがあります。
⇒ フィシオエナジェティックについて詳しくこちら
本日は、皮膚のかゆみの原因になる肝臓の機能低下についてお話します。
肝臓の機能
肝臓の機能には、
- 解毒機能
- 胆汁合成・分泌
- 血液成分の調節
- たんぱく質・脂質・糖質の代謝
- アミノ酸合成
- 抗酸化物質の合成
- 血糖値の調節
- ホルモンの代謝
- ビタミンDやビタミンAの活性化
- 甲状腺ホルモンの活性化
などなど約500種類もの機能があります。
肝臓の解毒機能
解毒について簡単に説明します。
解毒とは簡単に説明すると脂溶性のものを水溶性に変える、ということ。
脂溶性のものは蓄積します。水溶性のものは蓄積しないので尿や便、そして肺からガスとして出て行きます。
解毒の仕組み
肝臓の解毒は2段階で処理されます。
フェーズⅠ(第1相)
フェーズⅠ(第1相)で活躍するのはシトクロムP450などの酵素です。
酸化・還元・加水分解により水に溶けやすい性質に変わります。
この段階での問題点は活性酸素が大量に発生するということです。
フェーズⅡ(第2相)
フェーズⅡ(第2相)は抱合です。
グリシンやグルタチオンなどのアミノ酸やグルクロン酸、硫黄化合物により抱合体になり、さらに親水性を高めるため、アセチル化やメチル化がおこなわれます。
ここで問題になるのは、フェーズⅠで解毒処理された化学物質は、解毒される前よりも毒性が高くなるという問題です。
中間処理物質の問題
フェーズⅠで解毒されたものがフェーズⅡでの解毒が進まないと、中間で毒性の高い中間処理物質が溜まってしまうのです。
例えばアルコールの場合、第1段階で処理された中間処理物質はアセトアルデヒドという猛毒で高い発癌性があると言われています。
肝臓の解毒のフェーズⅠのスピードが速すぎる人やフェーズⅡの解毒スピードが遅すぎる場合は発癌性の高い中間処理物質に肝臓がさらされるという重大な問題が起きるのです。
肝臓の解毒機能を考える時に重要なポイントは、フェーズⅠで処理されたものが速やかにフェーズⅡで処理されなくてはならないということです。
中間処理物質の蓄積による症状
中間処理物質の蓄積による症状としては、
- 倦怠感、頭重感、頭痛、肩こり、悪酔い、アルコール中毒、自家中毒、目の症状(眼精疲労、飛蚊症、目のかすみ)
- 化学物質過敏症、蕁麻疹、皮膚のかゆみ
- 精神症状
などがあります。
解毒機能低下のタイプ
このような肝臓の解毒機能の問題はいくつかのパターンがあります。
- フェーズⅠの解毒スピードが速すぎるが、フェーズⅡのスピードは普通か低下している ⇒ カフェイン・アルコール・タバコ・農薬・カンジダ菌が作る毒素などが原因 ⇒ フェーズⅠの解毒スピードを緩めるウコンやグレープフルーツが役立つかもしれません
- フェーズⅠは正常だが、フェーズⅡが機能低下している。
- フェーズⅠもフェーズⅡも機能低下している。
その他、肝機能低下によって起こる症状
その他、肝機能低下によって起こる症状としては、
- ホルモンバランスの崩れ(古くなったホルモンを解毒できないと新しくホルモンが作れなくなる)、女性ホルモン異常(更年期障害・不妊症・子宮筋腫・子宮内膜症・前立腺肥大など)
- 脳神経系の症状、炎症の亢進、パーキンソン病、アルツハイマー病
- 頭痛、肩こり、自律神経失調症、筋肉の硬直・痛み、不眠症、パニック障害(ナス科の植物やカフェイン飲料、発酵食品などに含まれるチラミンという物質が処理できないため)
⇒ チラミンについて詳しくはこちら - 悪性腫瘍(発ガン性物質がたまります。古くなったホルモンが処理できないと発ガン性を持ち、乳癌や前立腺癌の原因となることもあります。)
- 活性酸素の発生(動脈硬化、肩こり、腰痛、免疫力低下)
⇒ 活性酸素について詳しくはこちら - ミトコンドリア機能低下
⇒ ミトコンドリアについて詳しくはこちら - 血中カルシウム濃度が上がる。マグネシウムの大量消費
- ホモシステインの増加(動脈硬化、心臓病など)
- 食後の眠気、昼間の眠気・倦怠感(糖質コントロール異常による低血糖症、たんぱく質が肝臓で処理できなかったりする)
- 自己免疫疾患、アレルギー(金属や化学物質のアレルギー)
- 内分泌系異常(甲状腺、副腎、膵臓)
- 免疫力低下(ウイルス、細菌、カビ、カンジダ菌)
- 糖尿病、低血糖症、腎臓病、むくみ、心臓病
- 高脂肪血症、高血圧、脂肪肝
- 肝機能が低下すると鉄のリサイクルができなくなり、鉄が肝臓に過剰に蓄積されます。
⇒ この鉄は酸化し活性酸素を発生させ、免疫担当細胞を破壊し免疫力を下げたり、血管の細胞を破壊し動脈硬化を起こしたり、鉄不足・鉄アレルギー(鉄不耐)の原因になったりします。(慢性疲労、精神症状、鉄欠乏性貧血、免疫力低下、血管障害(動脈硬化)、高血圧、心臓病、糖尿病、肩こり、腰痛、脂肪肝、肝硬変、悪性腫瘍、皮膚のかゆみ、むずむず足症候群)
などがあります。
肝臓の解毒機能低下から起こる症状
肝臓の解毒機能低下から起こる症状としては、
- 倦怠感
- 頭重感
- 頭痛
- 肩こり
- 悪酔い
- アルコール中毒
- 自家中毒
- 皮膚のかゆみ
- 目の症状(眼精疲労、飛蚊症、目のかすみ)
- 化学物質過敏症
- 蕁麻疹
- 精神症状
- 不眠症
- パニック障害
- 活性酸素の発生(動脈硬化、肩こり、腰痛、免疫力低下)
- 鉄欠乏性貧血
- 肝硬変、などなどさまざまです。
などです。
肝臓は「沈黙の臓器」と言われるのは、ひとつは一見肝臓と関係の無いような症状として出ること、そして血液検査でも調べることが難しいということです。
では血液検査の肝機能検査は何を調べているかと言うと、急性の炎症が起こっているかどうか、ですので実際には機能を調べているのではないのです。
アルコールが全く飲めない人は肝臓の解毒機能が弱いということになりますが、血液検査には引っかからないのです。
肝臓機能を低下させる物質
肝臓機能を低下させる物質としては、
カフェイン飲料(コーヒー、紅茶、緑茶)、アルコール、タバコ、重金属、有機溶媒、食品添加物、農薬、医薬品(ステロイド、抗生物質、ピル、ホルモン剤、解熱鎮痛剤、抗コレステロール薬など)、アルギニン(肉類・魚・大豆などのタンパク質の過剰摂取)、老廃物(ホルモンなど)、細菌・カビ・カンジダ菌の毒素、ウイルス、砂糖(炭水化物の過剰摂取)、ナス科の植物(ナス、ジャガイモ、ピーマン、トマト、タバコ、唐辛子)
などがあります。
その他、肝機能低下の原因
その他、肝機能低下の原因としては、
- リーキーガット症候群:(小腸から異物が血液に流れ込み、肝臓に負担をかける)
⇒ リーキガット症候群について詳しくはこちら - 自己免疫疾患
- 有害な重金属の蓄積
などがあります。
肝臓の機能をあげるかもしれないハーブ
肝臓の機能をあげるかもしれないハーブをご紹介します。
※下記の栄養素/ハーブはすべての人に役立つわけではなく合わない方もおられますので、自己判断での1か月以上の長期摂取は控えてください。
ウコン(クルクミン)
ウコンには他のハーブと違う特殊な作用がありますので、特に注意が必要です。アルコールやカフェインをよく飲む人、タバコを吸う人は役立つかもしれません。
スーパーオドレスガーリック (無臭にんにく)
ニンニクやブロッコリーなどの硫黄成分は、解毒に必ず必要な成分です。ただし、硫黄の代謝異常によって体調を崩すケーズもありますので注意が必要です。
ミルクシス(マリアアザミ=オオアザミ)
東洋のウコン、西洋のミルクシスと呼ばれるくらい西洋では有名なハーブです。ミルクシスに含まれるシリマリンという成分が有効成分です。
ダンリオンルート(タンポポ根)
焙煎するとコーヒーの苦みに似ていることから、妊娠中でも飲めるハーブティ(タンポポ茶)として有名ですね。有効成分は根の部分です。
ブロッコリースプラウト
ブロッコリーやブロッコリースプラウトには、解毒に必要なLメチオニンなどの硫黄成分や有効成分スルスラファンやジインドリルメタン(DIM)などが含まれています。合わない人もいますので要注意です。
ピクノジェノール
ピクノジェノールはポリフェノールの一種です。肝臓の血行を改善します。女性ホルモン系の問題に役立つかもしれません。
パインバーク
ピクノジェノールの材料である松の樹液です。
パインバークエキス(OPC95%含有) 240mg 90粒 NOW Foods(ナウフーズ)
ザクロ
ザクロは肝臓の血行を改善するだけではなく、女性ホルモンの代謝能力を上げます。
ビルベリー(ブルーベリー)
肝臓の血流を改善します。
ローズマリー
ローズマリーは炎症を抑える効果があります。
もちろん皮膚のかゆみの原因で一番多いのはアレルギーですが、原因不明の皮膚のかゆみはもしかしたら肝臓機能低下(肝臓病)が原因かもしれません。原因不明の皮膚のかゆみでお悩みの方、お気軽にご相談ください。
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