エリスリトールとキシリトールが血栓による脳卒中のリスクを高めるのはなぜですか？

エリスリトール（erythritol）とキシリトール（xylitol）が血栓を促進し、脳卒中のリスクを高める可能性があるのは、主に以下のようなメカニズムによります。

メカニズムの解説

1. 血小板の凝集（血栓形成）の促進

• ヒトを対象とした介入実験では、エリスリトールを含む飲料を飲んだ健康な被験者の血中濃度が1000倍に跳ね上がり、少なくとも数日間高値が続きました。その結果、血小板の反応性が増し、血栓の形成が促進されました(National Institutes of Health (NIH), Cleveland Clinic)。
• 同様に、キシリトールも高濃度で血中にあると血小板の凝集を促進し、血栓リスクを高めると認められています(CNN Japan, Cleveland Clinic, Peter Attia, TIME)。

2. 実際のリスク増加の観察

• エリスリトール：血中濃度が高い人（上位25％）は、心筋梗塞や脳卒中リスクが約2倍に増加していました(CNN Japan, Cleveland Clinic, EatingWell, Verywell Health)。
• キシリトール：3年以上追跡した研究では、血中キシリトールが高い人が心血管イベントにかかりやすい傾向が認められました(Cleveland Clinic, TIME, The Sun)。

3. 血管収縮・血栓溶解能の低下など他の要因（エリスリトールに関して）

• 一部の研究では、エリスリトールが 一酸化窒素（NO）を減少させ、血管の収縮を促す ことや、血栓を溶かす作用が低下することも示唆されています(koujiebe.blog.fc2.com, PRESIDENT Online（プレジデントオンライン）)。
• また、血管細胞に対する試験管内での実験では、少量のエリスリトールでも血管が収縮し、血栓が溶けにくくなる可能性が指摘されています(女性セブンプラス, PRESIDENT Online（プレジデントオンライン）)。

結論まとめ

注意事項と今後の展望

• これらの研究は、いずれも 相関関係や短期的な影響を中心に調査したものであり、因果関係や長期的な安全性についてはまだ明らかな結論が出ていません(Cleveland Clinic, EatingWell, Verywell Health, TIME, The Sun)。
• ただし、現時点で得られている知見から、心血管リスクの高い方（例：糖尿病、心疾患、高血圧など）や日常的に多量に摂取している方は、これらの甘味料の摂取に注意を払うべきと研究者らは警鐘を鳴らしています(Cleveland Clinic, TIME, EatingWell, Verywell Health)。

結論から言うと、通常の代謝経路では糖アルコール（ソルビトール、キシリトール、エリスリトールなど）はアセトアルデヒドを作りません。

🔹理由

1. 糖アルコールの代謝経路
   • ソルビトール → フルクトースへ変換（ソルビトール脱水素酵素によって）
   • キシリトール → キシルロースへ変換（肝臓で代謝）
   • エリスリトール → ほとんど代謝されず、そのまま尿中排泄される

   これらの経路では「アルデヒド（アセトアルデヒド）」は中間代謝物として出てきません。

2. アセトアルデヒドの生成経路
   • 主にエタノール（アルコール飲料）の代謝で発生
     エタノール →（アルコール脱水素酵素）→ アセトアルデヒド →（アルデヒド脱水素酵素）→ 酢酸
   • 糖アルコールはエタノールではないため、通常この経路には入りません。
3. 例外的な状況
   • 腸内細菌の種類によっては糖アルコールを分解し、発酵過程でエタノールを産生することがあり、その結果としてアセトアルデヒドが微量できる可能性はあります。
   • ただしこれは「人の体内代謝」というより「腸内細菌の副産物」としての話です。

✅ まとめると：
糖アルコールそのものはアセトアルデヒドを作りませんが、腸内環境によっては二次的に少量のアセトアルデヒドが生じる可能性はあります。