こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
本日は老化と関連するテロメアについて書かれた本をご紹介します。
『老化は予防できる、治療できる - テロメアをムダ使いしない生き方』
著者 : 根来 秀行
出版社: ワニ・プラス
価格 : 1760円 (税込)
老化は予防できる、治療できる - テロメアをムダ使いしない生き方 - [ 根来 秀行 ]
この本は老化と関連するテロメアの長さをキープして健康寿命を延ばすことができますよ、という内容の本です。
ところでテロメアって何でしょう?
老化と関連するテロメアとは?
テロメアとは、染色体のDNAの末端です。
染色体の末端を保護し、染色体同士が結合してDNAが損傷し細胞死やガン化を防ぐ役割があります。
テロメアの構造は塩基の単純な繰り返しでできています。
細胞分裂のたびにDNAは複製されますが、テロメアの繰り返し配列が細胞分裂のたびに失われるおかげで、染色体の遺伝情報そのものを守っています。
そのたびにテロメアは少しずつ短くなっていきます。
「テロメラーゼ」という酵素が、短くなったテロメアを修復する働きがあります。
テロメアと長寿との関係
テロメアが長寿と関係することを示す研究データとしては、
- 100歳以上の長寿者はテロメアが長い
- 長寿者やその家族では、実際の年齢が80歳代でも、テロメアは60歳代の平均値に匹敵する長さを保っていること
- タバコを毎日20本吸う生活を10年続けた人は、たばこを吸わない人よりもテロメアが5歳分短い
- 肥満の人は8歳分、運動習慣のない人は10歳分、そうでない人に比べてテロメアが短い
などがあります。
老化のメカニズム(説)
この書籍では、老化のメカニズムについてさまざまな説を上げています。
①プログラム説
寿命は遺伝子によってあらかじめプログラムされているという説。
②エラー蓄積説
さまざまな原因によってDNAが傷つけられ、それが蓄積した結果、細胞が機能障害を起こして老化するという説。
③フリーラジカル説
体内で発生したフリーラジカルが細胞機能を低下させ、老化を引き起こすという説。
④免疫異常説
加齢の伴い、免疫を担当する細胞の機能が低下して免疫細胞が自分のからだを攻撃するようになり、老化がもたらされるという説。
⑤突然変異説
DNAが損傷した結果、複製を通じて染色体の異常や突然変異が引き起こされ、からだのさまざまな機能が阻害されて老化するという説。
⑥ミトコンドリア異常説
ミトコンドリアに異常が起きて活性酸素がより多く発生し、その活性酸素がさらにミトコンドリアを傷つけた結果、エネルギー産生が落ちて老化するという説。
⑦テロメア説
テロメアの短縮が細胞障害を起こし、老化を招くという説。
この本ではテロメア説を中心に書かれているのですが、結局は他の説とも内容が重なっていると思います。
テロメアの短縮を防ぐサーチュイン遺伝子
サーチュイン遺伝子とは活性化することで長寿をもたらす遺伝子です。
カロリー制限や適度の運動習慣によってサーチュイン遺伝子のスイッチがオンになると考えられています。
サーチュイン遺伝子を活性化させる栄養素
サーチュイン遺伝子を活性化させる栄養素としてこの本では2種類紹介されています。
レスベラトロール
レスベラトロールはブドウの皮やイタドリにたくさん含まれるポリフェノールの一種です。
NMN(ニコチンアミドヌクレオチド)
NAD(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド)という補酵素は年齢とともに減少するため、その影響でサーチュイン遺伝子の働きも衰えると考えられています。
そのNADを増やす作用をもつのがNADの前駆体がNMN(ニコチンアミドヌクレオチド)です。
ちなみにNMNの前駆体がビタミンB3(ナイアシンアミド=ニコチンアミド)です。
テロメアを短くする3大原因
著者はテロメアを無駄使いしないためには、生活習慣をどのように改善すればいいのかについて、「炎症」「糖化」「酸化」の3点をできるだけ防ぐこと、と書いておられます。
炎症
老化細胞と深い関わりが指摘され、注目されているのが慢性炎症です。
糖化
糖化とは、食事などからとった余分な糖質が体内などのタンパク質と結びつきタンパク質が変性してAGEs(最終糖化産物)が作られる現象です。
酸化
体には本来、さまざまな抗酸化のための酵素(SOD、グルタチオンペルオキシターゼ、カタラーゼなど)が存在し、からだを酸化から守っています。
その他、テロメアを無駄使いしないためにできること
著者は他にも、テロメアを無駄使いしないためにできることを紹介しています。
細胞呼吸
細胞内のミトコンドリアが酸素と栄養素からエネルギーのもとATPを作り出すプロセスが「細胞呼吸」です。
細胞呼吸を阻害する要因として上記の酸化もあるのですが、著者は「毛細血管」「自律神経」「ホルモン」を細胞呼吸立て直しのカギとしてあげています。
呼吸
外部呼吸の効率を上げることは細胞呼吸の効率アップにつながります。
運動
運動にはさまざまな効果があります。
テロメアを伸ばす食事術
著者は「栄養をバランスよくとり、腹八分目に抑える」ことが重要と書いておられます。