こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
先日、うつ病と腸管免疫システムに関するこのような記事を見つけました。
『本研究では、うつ病の患者と健常者の便から腸内細菌を採取し、腸内細菌叢を比較したところ、乳酸菌属の減少がヒトのうつ病患者のうつ・不安症状の重症度と相関を示すことを見出しました。また、慢性的に心理社会的ストレスをかけたマウスにおいても、特定の乳酸菌が減少することで、うつ病様行動の指標とされる社会性の低下を示すことを見出しました。
この特定乳酸菌の減少が、腸管免疫システムに重要な働きをもつTリンパ球である、γδT細胞の分化を促進すること、また、そのプロセスが、T細胞に存在する免疫反応を司る受容体の1つであるデクチン1により仲介されることもわかりました。抗炎症作用を持つことで知られる漢方生薬である「茯苓」の成分パキマンは、デクチン1により認識されます。心理社会的ストレスをかけたマウスにおいてパキマンを慢性経口投与したところ、この受容体を介して腸管におけるγδ17T細胞への分化と脳への移行を抑制し、うつ病様行動への予防効果があることを明らかにしました。さらに、ストレスにより減少した特定の乳酸菌の経口投与によっても、同様の予防効果を見出しました。』
https://research-er.jp/articles/view/120734 より引用
βグルカンは腸管免疫を高めるかも
ここに出てくる「茯苓」の成分パキマンは、βグルカンの一種です。
βグルカンは腸管免疫を高めるかもしれません。
βグルカンについてwikipediaで調べてみました。
β-グルカン(β-glucan、べーた-)とは、グルコースがグリコシド結合で連なった多糖であるグルカンの内、β-グリコシド結合で繋がった重合体の総称である。植物や菌類、細菌など自然界に広く分布し、いくつかのキノコ類などに由来するβ-グルカンは免疫賦活作用、制癌作用を持つとされる。
https://ja.m.wikipedia.org/wiki/%CE%92-%E3%82%B0%E3%83%AB%E3%82%AB%E3%83%B3 より引用
腸管免疫はヘルパーTh17細胞を抑制する
腸管免疫はヘルパーTh17細胞を抑制します。
ヘルパーTh17細胞が抑制されないと免疫の暴走の原因になるので慢性炎症によるうつ症状につながる可能性があります。
ヘルパーT細胞(免疫反応をコントロールするサイトカインを分泌)
ヘルパーT細胞(Th1、Th2、Th17など)や細胞障害性T細胞(昔はキラーT細胞と呼ばれていました)、制御性T細胞(Treg細胞)などに分化します。
Th1とTh2のバランス
Th1とTh2は互いに調節し合い、生体内でシーソーのようにバランスを取り合っています。Th2側に傾くとアレルギー症状がひどくなります(Th1側に傾いても起こるアレルギーもあります)。
Th1
インターロイキン2(Il-2)を産生し、細胞障害性T細胞による細胞性免疫を賦活化します(以前はキラーT細胞と呼ばれており、感染細胞や腫瘍細胞を直接攻撃します)。
IFN-αを産生しマクロファージを活性化しTh2を抑制します。その他に腫瘍壊死因子β(TNF-α)、インターロイキン12(Il-12)などもサイトカインを分泌します。
Th2
インターロイキン4(IL-4)を分泌し、B細胞による体液性免疫を賦活化(アレルギー)します。
そのほかにIL-5,IL-10(抗原提示細胞に作用してTh1を抑制),TGF-β、などのサイトカインを分泌します。
Th17とTregのバランス
Th17とTregのバランスで、炎症の促進と抑制が調節されています。
Th17
インターロイキン17(IL-17)を分泌し好中球や上皮細胞を活性化します。細菌や真菌を排除します。
自己免疫疾患と関わっています。
制御性T細胞
Treg細胞とも呼ばれます。TGF-βやIL-10を分泌し、IL-12の産生を抑制し免疫反応を止めます。アレルギーを抑制します。