こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
本日は、骨の役割に関する素晴らしい本をご紹介します。
『硬くて柔らかい「複雑系」 骨のふしぎ からだを支えるだけでない、知られざるはたらき』
著者:石井 優
出版社: 講談社 ブルーバックス
価格:1,100円(税込み)
硬くて柔らかい「複雑系」 骨のふしぎ からだを支えるだけでない、知られざるはたらき (ブルーバックス) [ 石井 優 ]
骨の役割
骨は単に構造を支えるだけの役割ではなく、さまざまな機能がある臓器の一種ともいえます。
骨の役割は、
- 構造的な支え
- カルシウムとリンのコントロール
- 骨髄の血球成分産生
- 骨ホルモン
などがあります。
骨の役割①構造的な支え
過去にも書いたことがありますが、骨構造は単純に説明すると鉄筋コンクリートのようなものです。
『骨の構造を詳しく見ると、主に膠原繊維(Ⅰ型コラーゲン)がつくるしなやかな骨組み(柱)の周りに、リン酸カルシウム結晶(コンクリート)が蓄積されています。』
『ちなみに、骨が硬ければよい、というわけではありません。自身の少ないヨーロッパでは硬い石造りの建築物が発達したのに対して、有史以来、地震の影響を受けてきた日本ではしなやかな木造建築が発達したと言われています。体は生きている限り動きますので、いろんな力が加わります。ですので骨が石造りの大聖堂のように動かない構造物であれば、硬ければ硬いほどよいのでしょうが、実際には加わる力の衝撃をうまく緩和させる「しなやかさ」が必要なのです。こういってしなやかさを賦与しているのがコラーゲン繊維と言えるでしょう。』
しなやかにしなる構造でないと簡単に折れてしまうのです。
いくらコンクリートが硬くても鉄筋が腐っていたら骨折してしまうのです。
大事になのは膠原繊維(コラーゲン組織)と架橋組織(エラスチンなど)などの結合組織なのです。
骨の役割②カルシウムとリンのコントロール
骨の役割として、カルシウムとリンの貯蔵庫でありカルシウムやリンのコントロールをしている臓器の一つでもあります。
骨を作るのが骨芽細胞、壊すのが破骨細胞というのは聞いたことがあると思います。
これだけ聞くと簡単な仕組みに聞こえますが、カルシウムやリンのコントロールは複雑で、おそらく分かっていないことも多いと思います。
重要な要素は、
- 骨芽細胞と破骨細胞
- 副甲状腺ホルモン(PTH)
⇒ 副甲状腺(PTH)について詳しくこちら - カルシトニン(甲状腺で作られる)
⇒ カルシトニンについて詳しくはこちら - ビタミンD
⇒ ビタミンDについて詳しくはこちら - 肝臓や腎臓(ビタミンDを活性型にする)
- FGF23(骨が作るホルモン)
などです。
骨の役割③骨髄の役割
骨には構造を支えたりカルシウムのコントロールだけではない、重要な役割があります。
それが骨髄です。
骨髄は造血幹細胞と呼ばれる細胞が自己増殖し、白血球(免疫機能)・赤血球(酸素を運ぶ)・血小板(血液凝固)という血球成分を造っている場所です。
骨の役割④その他の骨ホルモン
骨にも他にも重要な役割が分かっています。
それがオステオカルシンを代表する骨ホルモンです。
『骨芽細胞からつくられるオステオカルシンには、糖尿病や肥満の発症を抑制する可能性があります。』