こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
先日このような記事を見つけました。
『赤ワインを飲むと頭痛がするタイプは、亜硫酸塩不耐症ではなく、ワインに含まれるヒスタミンによるものかも。赤ワインは白ワインの3~4倍ものヒスタミンを含む。ワインのヒスタミンは、後述するヒスタミン不耐症のようにアレルギーに似た症状を起こすほどの量ではないけれど、ヒスタミンに血管拡張作用があり、頭痛を誘発しやすいのだ。』
https://news.yahoo.co.jp/articles/fca2224df26af02f81529f7aa3bb4d9888cd3b83 より引用
赤ワイン頭痛の原因物質は何?
赤ワインは頭痛を引き起こすことで有名なのですが、その原因はいろんな物質が可能性として挙がっています。
当院のフィシオエナジェティック検査の臨床から言うと、3つの問題が複合的に関わっています。
- 亜硫酸塩不耐症(硫黄不耐症)
- ヒスタミン不耐症
- チラミン不耐症
です。
⇒ フィシオエナジェティックについて詳しくはこちら
先日見た記事ではポリフェノールの一種であるケルセチンが原因ではないか、という説でしたが、これは間違っていると思います。
それぞれ説明します。
赤ワインの亜硫酸塩不耐症とは?
赤ワインに含まれる亜硫酸塩(亜硫酸ナトリウム)が体質に合わない、もしくはアレルギーによって頭痛などの症状が出ることがあります。
亜硫酸塩は防腐剤・発色剤・酸化防止剤などの表記がされている場合もありますが、赤ワインの防腐剤やドライフルーツの発色剤・防腐剤などにも使われています。
殺菌消毒だけではなく発色作用もある変色しやすいものによく使われるのです。
亜硫酸塩不耐症は、硫黄代謝の問題による硫黄不耐症の人が多いです。
硫黄不耐症は、昔はサラダバー症候群と呼ばれていて、サラダバーの殺菌・発色に亜硫酸塩が使われていたために頻繁に起こる症状としてそのような名前が付けられていました。
赤ワイン頭痛の原因になる硫黄不耐性
硫黄の代謝の問題によって、硫黄化合物が過剰になり赤ワイン頭痛などさまざまな症状を引き起こします。
- 頭痛
- 鼻炎
- くしゃみ
- 鼻のムズムズ
- 気管支炎
- 咳
- 喘息
- 下痢症状
- 吐き気
硫黄は人にとって重要なミネラルなのですが、硫黄代謝に必要な酵素の働きが遺伝的もしくは後天的に弱いために問題が起こってしまう方がいます。
硫黄を含むもの
硫黄は、ユリ科の植物(にんにく、玉ねぎ、ねぎ、ニラ、ラッキョウなど)やアブラナ科の植物(ブロッコリー・大根・キャベツ・わさび・からし、など)に含まれています。
身体に良さそうなものばかりですよね?
硫黄は肝臓にとっては無くてはならない栄養素でもありますし、体の組織を構成するアミノ酸合成、Lメチオニンやグルタチオン(解毒物質・抗酸化物質)の生成にも必要な重要な栄養素です。
当然硫黄不耐性の方は解毒や抗酸化の問題が起こります。
サプリメントではLシステイン、Lメチオニン、グルタチオン、タウリン、MSM(有機硫黄化合物)、アルファリポ酸、コンドロイチン硫酸、SAMe(サミー)などにも含まれているのでご注意を!!
肝臓にてLシステインという含硫アミノ酸がホモシステインという物質に変化します。
そのホモシステインをメチオニンに合成できないと硫黄化合物が過剰に余ってしまいます。
たんぱく質の代謝物であるアンモニアを無毒化できなくなります。
そしてLメチオニン減少やグルタチオンも減少します。
硫黄不耐性の対応について
もちろん硫黄を含むものできるだけ避けたほうがいいですが、当院ではフィシオエナジェティック検査を使って硫黄不耐性の根本原因に対応します。
⇒ フィシオエナジェティックについて詳しくはこちら
硫黄不耐性の原因
硫黄不耐性の原因には、
- 肝臓機能低下
⇒ 肝臓機能低下について詳しくはこちら - ビタミンB12・葉酸・ビタミンB6不足
- モリブデン不足
⇒ モリブデンについて詳しくはこちら
などがあります
赤ワイン頭痛の原因になるヒスタミン不耐症とは?
ヒスタミンは、食品に含まれている物質で、頭痛、蕁麻疹、喘息などの症状を引き起こします。
ヒスタミンという物質はアレルギー炎症を起こす物質として知られています。
アレルギー反応により肥満細胞がヒスタミンを分泌します。
それだけではなく、食品からヒスタミンが入ってくるケースもあるのです。
ヒスタミンは腸内細菌(善玉菌)や体内の酵素が無毒化してくれますが、何らかの原因でヒスタミンが処理しきれなくなり、ヒスタミンが増えている状態をヒスタミン不耐症と呼びます。
ヒスタミン不耐症が起こす症状
ヒスタミンが増えすぎると様々な症状が起こります。
- 血管を拡張させる
- 頭痛
- むくみ
- じんましん
- 発赤
- 皮膚・目・鼻のかゆみ
- 鼻水・くしゃみ
- 気管支収縮(喘息)などのアレルギー反応
など。
赤ワイン以外にヒスタミンを含む食べ物
日持ちさせるように加工したものに細菌がふえたり、日持ちするものが傷んできたり、熟してから食べるフルーツが傷んできたりすると細菌がヒスチジンというアミノ酸からヒスタミンを生成します。
ヒスタミン検査は食中毒の検査の一部として食品中に細菌が増えているかを調べるために行われています。
- 鮮度の落ちた生鮮食品(魚・干物・魚の味噌漬けや西京漬け・缶詰類・魚醤・牛肉・鶏肉・豚肉・卵・乳製品・加工肉(ハム・ウインナー・ソーセージ・サラミ・ベーコン)・古米・ナッツ類など)
- 発酵食品(キムチ・塩辛・漬物・チーズ・ヨーグルト・パン・アルコール(ビール・赤ワインなど))
- ナス科の植物(ナス・トマトなど)
- 果実(イチゴ・バナナ・アボカドなど)
- チョコレート、ココア、コーヒー
ヒスタミン不耐症の原因
ヒスタミン不耐症の原因としては、
- 腸内悪玉菌の増加
- ヒスタミンやヒスチジンを多く含む食品の摂取
- ヒスタミンを分解する酵素の問題(N-メチルトランスフェラーゼ(HMNT)とジアミンオキシダーゼ(DAO))が不足=ビタミンC不足、ビタミンB6不足、銅不足など)
- 亜鉛不足
などです。
赤ワイン頭痛の原因になるチラミン不耐症とは?
赤ワイン頭痛の原因として赤ワインに含まれるチラミンという物質関係しているケースが多くみられます。
チラミンは神経伝達物質ドーパミンを増やし、交感神経系を刺激し、血管を緊張(収縮)させ頭痛を引き起こします。
チラミンは食べ物の中にふくまれるのですが、
チーズ、バター、ヨーグルト 、赤ワイン、ビール、チョコレート 、コーヒー、紅茶、緑茶、バナナ、アボカド、熟しすぎた果物、ナス、ピーマン、トマト、発酵食品(味噌、醤油、納豆、パン)、砂糖、ベーコン、ハム、ソーセージ、サラミ、そら豆、カジキ、ニシン、タラコ、スジコ、イチジク、レーズン、プラム、レバー、味の素、タバコ
などに含まれます。
血管が過剰に収縮すると全身の細胞(特に脳細胞)に栄養が届けられなくなるため、それを取り戻すために過剰に拡張します。血管が過剰に拡張したときに頭痛を引き起こすのです。
チラミンなどのアミンは覚醒作用(ドーパミンを増やす)もあるために依存症にもなりやすいです。
赤ワイン頭痛の原因になるチラミン不耐症によって起こる症状(最終的には交感神経を刺激)
ドーパミン過剰によって起こる症状は、
- 不眠(寝つきが悪い・何度も目が覚める) 、悪夢、血管収縮( 頭痛、 吐き気、ふらつき 、ほてり、高血圧、動悸、血圧上昇、血行不良、冷え、 肩こり、しびれ)、発汗、多汗、食欲不振、胃腸障害(便秘、逆流性食道炎)、疲れが取れない、皮膚の痒み
- 寝言、歯ぎしり、食いしばり、レム睡眠行動障害、イライラ、不安感
- 注意欠陥多動障害(ADHD)、てんかん、失神、躁鬱病(双極性障害)
- 統合失調症(精神分裂病)、トゥレット症候群(チック症状など)
- 薬物乱用性頭痛(鎮痛剤、抗うつ薬、点鼻薬、鼻炎薬など)
- 幻覚、覚醒状態、性的行為へのモチベーション
- 筋肉硬直 、痛み、肩こり、腰痛、 起床時の体の痛み・硬直 、筋緊張型頭痛、顎関節症(朝起きたときに顎に違和感)、寝返りが打てない⇒朝起きた時調子が悪く、動き出すとましになる。
- パニック障害 、過換気症候群(過呼吸)、自律神経失調症、頻尿
- 鼻炎(突然鼻水が出る)、慢性鼻炎(点鼻薬の副作用など)、皮膚のかゆみ
- 低プロラクチン(不妊症、流産、むくみ、性欲減退、前立腺の問題など)
- ドーパミン受容体増加による依存症(過食症、アルコール・カフェイン・甘い物中毒)
- アセチルコリン不足の症状(眼の問題、ドライアイ、ドライマウス、鼻炎、便秘、下痢、食道裂孔ヘルニア、消化の問題、疲労感、昼間の眠気、関節炎、体臭)
などがあります。