こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
本日は金属(ミネラル)に関する本をご紹介します。
『生命にとって金属とはなにか 誕生と進化のカギをにぎる「微量元素」の正体』
著者:桜井 弘
出版社: ブルーバックス
価格:1,320円(税込み)
生命にとって金属とはなにか 誕生と進化のカギをにぎる「微量元素」の正体/桜井弘【1000円以上送料無料】
私にとってはとても面白い本ですが、専門書でもあるので一般の方には難しいと思います。
金属(ミネラル)の役割
金属(ミネラル)の役割がよくわかる本です。
地球が生まれたときから、生物(動物や植物)が生まれ、そしてヒトが生まれる。
この大きな歴史における金属の役割が書かれています。
この部分はとても面白いのですが、うめくまとめることができないので今日はこの部分の話しはしません。
本を読みください。
今日は人体における金属(ミネラル)の役割、その中でも金属の毒性を抑えるメタロチオネインと活性酸素種を抑える金属酵素についての話しだけします。
メタロチオネイン
まずは金属の毒性を抑える生体分子「メタロチオネイン」について引用し説明します。
『メタロチオネインは細菌、海藻、キノコ類、高等植物、無脊髄動物、脊髄動物から哺乳動物まで幅広く分布し、分子量が6000から7000のタンパク質であることがわかった。
分子中に61~68個あるアミノ酸のうち、3分の1にあたる20個のアミノ酸が硫黄を含むシステインであり、このシステイン中の硫黄と金属イオンが結合結合をするという特徴をもっている(亜鉛やカドミウムは最大7個、銅なら12個結合できる)。通常は亜鉛イオンが結合していることが多いが、カドミウムイオンなどの毒性の強い金属イオンが体内に入ると、これらを結合して、金属毒性を低くする役割を担っている。』
メタロチオネインは解毒機能にとって重要と言うことですね。
メタロチオネインの役割はまだすべてわかっているわけではありませんが、少しまとめてみます。
メタロチオネインの役割
メタロチオネインの役割としては、
- 亜鉛や銅などの必須微量元素を体内に一定量蓄える
- カドミウムや水銀などの毒素元素と結合して解毒の役割をする
- 生体に入った酸素分子から生成されるスーパーオキシドアニオンやヒドロキシルラジカルなどの活性酸素種を消去する
などの機能が分かっています。
活性酸素種
活性酸素種は人間が酸素を使うようになったのと引き換えになったリスクです。
『「酸素分子が生物の体内に入ると、つねに他の生体分子から電子を奪おう」とし、「さまざまな反応を引き起こす」と指摘した。
酸素分子はまず、他の生体分子から電子1個を奪い、スーパーオキシドアニオンラジカルに変化する。次に、もう1個の電子を奪い、これとプロトンとか反応することで過酸化水素になる。続いてもう1個の電子を奪うと(途中省略)ヒドロキシルラジカルと水酸化イオンが発生する。
酸素分子の生体内での変化にともなって生成される分子を広く「活性酸素種」と呼んでいる。活性酸素種が体内で生成されると、たとえば脂肪酸と反応して細胞内物質や細胞膜に障害(酸素毒性)を引き起こす原因となる。
生物は酸素分子を用いて大きなエネルギーを得る一方、体内で活性酸素種が発生する危険を冒してまで、酸素分子を利用する方向での遂げる道を選んだ。』
人体にはさまざまな活性酸素種の無害化する仕組みがあります。
そこにミネラルが重要な枠割をしています。
酸素の毒性を金属で抑え込む
酸素の毒性を金属で抑え込む仕組みをご紹介します。
金属酵素「スーパーオキシドジムスターゼ(SOD)」
まずは金属酵素「「スーパーオキシドジムスターゼ(SOD)」についての説明を引用します。
『SODは、日本語では「スーパーオキシドアニオン(超酸化物)不均衡酵素」といい、スーパーオキシドアニオンを酸素と過酸化水素に分解する酸化還元酵素のことである。
SODにもさまざまなタイプが存在するが、たいていは銅と亜鉛イオンを含んでいる。銅イオンは酵素の活性中心にあり、亜鉛イオンはタンパク質の構造を保つ役割を果たしている。
嫌気性細菌は鉄イオンを含むFe-SODを、原始的な動物から脊髄動物までや、真菌、粘菌、コケやシダ類などはCu/Zn-SODとマンガンを含むMn-SODの両方をもっている。』
SODは特に亜鉛と銅とマンガンが重要なミネラルです。
鉄は強力な活性酸素種を生み出す原因にもなるのでとても難しいミネラルです。
金属酵素「カタラーゼ」とグルタチオンペルオキシターゼ
次に金属酵素「カタラーゼ」について説明を引用します。
『スーパーオキシドアニオンラジカルに続いて産生されるのが、過酸化水素だ。
過酸化水素を消去・分解する金属酵素カタラーゼには、ヘム鉄を含むものと、マンガンイオンを含むものの2タイプが知られている。前者は哺乳動物の肝臓や赤血球、細菌などに、後者はいくつかのバクテリア類などの生物界に広く存在する。
ミトコンドリアや細胞質中には、カタラーゼと同じく過酸化水素を消去・分解する能力をもつセレンを含む「グルタチオンペルオキシターゼ」が存在し、カタラーゼと補い合うように作用することが知られている。』
先ほども言ったように鉄と言うミネラルは活性酸素種を生む原因にもなるのでなかなか難しいミネラルです。
ここで重要なのは「グルタチオンペルオキシターゼ」に含まれるセレンと言うミネラルです。
金属(ミネラル)の役割について続きの説明についてはまた後日に。