こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
先日、ウコンに関するこのような記事を見つけました。
『ウコンには「二日酔いに効く」というイメージがあるが、本当だろうか。薬剤師の鈴木素邦さんは「ウコンは肝障害の原因となる健康食品第1位という研究結果もある。特に脂肪肝の人や、肝臓が悪い人はウコンを摂取しないほうがいい」という――。』
https://president.jp/articles/-/78030 より引用
この情報は本当なのでしょうか?
ウコンは危険なのか?
ウコンは本当に危険なのでしょうか?
私個人的に言うと答えは、
- ウコンには効能があります。効能があるということは合わない人もいるということです。すべての栄養素やハーブは毒にも薬のもなるということです。
- ただしそもそもウコンを常用しているひとはアルコールを良く飲んでいる人でしょうから、ウコンが原因のケースもあり得ますが、アルコールが原因の方が圧倒的に多いと思います。
- 西洋医学の薬のほとんどは肝臓に負担をかけます。ウコンが悪だというならば、ほぼすべての薬は悪です。西洋医学には肝臓を治す薬はありませんし今の考え方では作れません。その理由については下記の記事をご覧ください。
⇒ 肝臓疾患を治す薬が作れない理由
ウコンの効能
ウコンの効能は肝臓に対する効能だけではありませんが、ウコンは肝臓の解毒フェーズⅠ機能をゆっくりにするのでアセトアルデヒドの生成を抑制します。
良くわからない方のためにもう少し詳しく肝臓の解毒機能について説明します。
肝臓の解毒機能
解毒とは簡単に説明すると脂溶性のものを水溶性に変える、ということ。
脂溶性のものは蓄積します。水溶性のものは蓄積しないので尿や便、そして肺からガスとして出て行きます。
肝臓の解毒は2段階で処理されます。
フェーズⅠ(第1相)
フェーズⅠ(第1相)で活躍するのはシトクロムP450などの酵素です。
酸化・還元・加水分解により水に溶けやすい性質に変わります。
この段階での問題点は活性酸素が大量に発生するということです。
フェーズⅡ(第2相)
フェーズⅡ(第2相)は抱合です。
グリシンやグルタチオンなどのアミノ酸やグルクロン酸、硫黄化合物により抱合体になり、さらに親水性を高めるため、アセチル化やメチル化がおこなわれます。
ここで問題になるのは、フェーズⅠで解毒処理された化学物質は、解毒される前よりも毒性が高くなるという問題です。
中間処理物質の問題
フェーズⅠで解毒されたものがフェーズⅡでの解毒が進まないと、中間で毒性の高い中間処理物質が溜まってしまうのです。
肝臓の解毒のフェーズⅠのスピードが速すぎる人やフェーズⅡの解毒スピードが遅すぎる場合は発癌性の高い中間処理物質に肝臓がさらされるという重大な問題が起きるのです。
例えばアルコールの場合、第1段階で処理された中間処理物質はアセトアルデヒドという猛毒で高い発癌性があると言われています。
このフェーズⅠの機能を抑えるのがウコンやグレープフルーツなのです。
他にも農薬や殺虫剤などの化学物質で、中間処理物質が元の物質より猛毒になってしまったり、発ガン性を持ってしまったりするものがあります。
肝臓の解毒機能を考える時に重要なポイントは、フェーズⅠで処理されたものが速やかにフェーズⅡで処理されなくてはならないということです。
そのフェーズⅠの機能を抑えるだけではなくフェーズⅡの能力を上げるのがウコンです。
フェーズⅠの解毒機能が落ちている人がウコンを摂取するとフェーズⅠ機能が働かなくなり、解毒が進まずに毒の影響を大きく受けることとなるのです。
ウコンは危険ではない
でもよく考えてみてください。
普段からアルコールやカフェインを摂取している人はフェーズⅠ機能のスピードが上がっている人が多いから、ほとんどの人はウコンを摂取しても問題無いはずです。
個人的な結論を言うと。アルコールや薬のほうが悪でウコンは悪ではない、ということです。
ウコンの有効成分クルクミンは水溶性物質(ウコンそのものが水に溶けるわけではありません)ですので肝臓に負担をかけません。
先ほど少し出てきましたが、脂溶性成分を水溶性に変えることを解毒といいますから、クルクミンは解毒が必要ありません。
クルクミンには肝臓に作用するだけではなく、強力な抗酸化物質でもあり抗炎症作用もあります。
トータルで考えるといいハーブです。
ただし効能がありますのですべての人に合うわけではないのです。