こんにちは。大阪府池田市の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
カイロプラクティック用語集(医学用語を含む)
カイロプラクティックで使われる用語、医学用語を説明します。
ホルモンとは?
ホルモンとは、体内の特定の組織または器官で生産され、直接体液中に分泌されて運ばれ、特定の組織や器官の活動をきわめて微量で調節する特殊な化学物質の総称です。
100種類以上あるホルモンの分泌量をコントロールしているのは脳の視床下部で、脳の下垂体、さらに各分泌臓器、そして標的臓器の順で指令が伝わります。
ホルモンの種類
内分泌臓器 | ホルモンの役割 |
---|---|
脳幹(間脳)の視床下部から下垂している脳下垂体 | 成長ホルモンなど8種類程度のホルモンが分泌されているといわれています。全身の内分泌臓器にはたらくことから、ホルモンの司令塔と言われます。 |
のどにある甲状腺 | 分泌が過度の場合にバセドウ病(甲状腺機能亢進症)となるサイロキシン、血中カルシウムの濃度を低下させるはたらきのあるカルシトニンなどがあります。 |
甲状腺の裏側にある副甲状腺 | 血液や組織のカルシウムの濃度を調節するはたらきがあるパラソルモンは、分泌過多になると骨折しやすくなり、また、尿中にカルシウム排泄が増し、尿路結石を起こしやすくなります。 |
膵臓 | 膵臓のランゲルハンス島で分泌されるインスリンは、欠乏すると血糖が上昇し糖尿が出ます。過剰に分泌されると低血糖症となります。 |
副腎 | 副腎髄質ホルモン(ステロイドホルモン)には、アドレナリン、ノルアドレナリンなどがあり、情動の激しい変化、過激な運動などにあうと分泌が増加します。副腎皮質ホルモンが過剰になると、肥満、高血圧、高血糖や女性の男性化などが起こります。分泌低下の場合では、全身衰弱や低血圧を起こします。 |
腎臓 | 血圧を上昇させるレニンが分泌されます。 |
性腺 | 性腺は、生殖細胞を作る器官で、男性では精巣(せいそう)、女性では卵巣(らんそう)です。男性では精巣内の間質細胞から男性ホルモン(テストステロン)が、女性では卵巣の卵胞膜細胞から卵胞ホルモン(エストロゲン)と、排卵後の卵胞にできる黄体から黄体ホルモン(プロゲステロン)という女性ホルモンが分泌されます。 |
松果体 | 松果体は、間脳の後ろ上方にある小体です。メラトニンを分泌します。 |
瘢痕組織とは?
損傷を受けた皮膚や靭帯・筋肉が治癒する過程でみられる硬い組織を、瘢痕組織(はんこんそしき)といいます。
瘢痕組織はもとの組織とは違い、収縮も伸張もされないので関節可動域が狭くなります。
また柔軟性や関節支持力も元の組織に劣るので、わずかな外力でも損傷を起こしやすくなります。
肉離れや捻挫・ギックリ腰などを何度も繰り返していると、瘢痕組織が広がっていくので、注意が必要です。
瘢痕組織をできるだけ少なくするには、アイシングをして初期の炎症を押さえることが重要です。
脳幹網様体とは?
脳幹網様体(のうかんもうようたい)とは、脳幹の全領域(延髄、橋、中脳、間脳)に広がっている網目状の神経線維網です。
脳幹網様体は呼吸・心拍数・血圧を調節する中枢です。この機能は生命維持に不可欠なので、脳幹網様体が傷つくことは直ちに命に関わります。
脳幹が生命維持の中枢と言われる理由の多くは、脳幹の全体に広がる脳幹網様体が負っています。
また大脳皮質に情報を伝える司令塔であると言われています。
その他、運動・姿勢・バランスの調整などの運動調整を行っていると言われています。
イネイト・インテリジェンスとは?
「人体は疾病に関して自然に回復する。医師は、その回復する自然の力を補佐するのが天命である。自然な力とは、人体のなかに潜んでいる偉大な力、すなわち先天的治癒力であり、その力が人体を回復させるのである。」ヒポクラテスの言葉
イネイト・インテリジェンス(Innate Intelligence)とは先天的知能といわれ「生まれながらに備わっている知能または能力」のことです。
まさに「生命力」といえます。自然治癒力、ホメオスタシス(恒常性)や免疫力は先天的知能の一部です。
イネイト・インテリジェンス(=先天的知能>自然治癒力)は、脳幹で発生し、脊髄神経を経て全身の器官、組織、細胞へ伝達されていると、カイロプラクティックでは考えています。
私たちが生きている限り、イネイト・インテリジェンスは一刻たりとも休むことなく、私たちの身体を維持修復し、癒しているのです。
どこが悪いのか、どのように治療したらいいのか、どこから治さなければならないのかなど、イネイトインテリジェンスは身体に関することはすべて知っているのです。
イネイトインテリジェンス=脳幹>ホメオスタシス>自然治癒力>自律神経系=内分泌系=免疫系=脊髄筋肉系
脳脊髄液とは?
脳脊髄液とは、脊髄や脳を取り囲んでいる空間を循環する無色透明な体液(リンパ液)です。
この脳と脊髄は髄膜という膜に 覆われていて、この膜の間を脳脊髄液が循環しています。
髄膜は正確にいうと三層の膜から構成されており、一番外側が硬膜(こう まく)、次にくも膜、最も内側が軟膜(なんまく)となっています。 そして脳脊髄液は、このくも膜と軟膜の間のくも膜下腔(くもまくかくう )というわずかな隙間を循環しています。
脳脊髄液は脳や脊髄を外傷や身体的衝撃から保護したり、脳の水分含有量を調節したり、神経分泌物やホルモン、栄養素、老廃物などを輸送する役割をもっています。
脳脊髄液は側脳室の脈絡叢(みゃくらくそう)で産生・分泌されます。その量は日量500ml程度とされ、脳内を循環します。
全髄液腔の容積は約150mlであり、1日で3~4回入れ替わります。髄液は主にクモ膜顆粒で吸収され静脈に戻ります。
脳脊髄液循環不全とは?
脳脊髄液は脳と硬膜との間を流れているので、もし硬膜に捻れや歪みが生じてしまうと正しい循環ができなくなってしまいます。
脳脊髄液は脳の栄養液であり、循環が滞ることで脳圧も上昇し、併せて脳の環境は低下します。
硬膜がねじれる原因はひとつです。アトラス(第1頚椎)の歪みによるものです。アトラスが他の椎骨と大きくちがうところは、椎間板がなく回旋が45度も可能であることです。
他の椎骨は大きくても5度程度の回旋しかありませんので、アトラスは硬膜のねじれを生む唯一の場所なのです。
自律神経(交感神経と副交感神経)とは?
我々の身体は脳からの神経を通じて出される司令によって、生命活動を維持しています。
脳からの指令を伝達する神経のうち、自分の意思で自由にコントロールできる器官に関わっているのが、脳脊髄神経(動物神経)、自らの意思とは無関係に各器官をはたらかせているのが、自律神経(植物神経)です。
自律神経は約60兆の細胞を無意識のうちに調整し、人間がもつホメオスタシス(恒常性)の大部分を担っています。
自律神経は、身体の内外からの刺激に反応して、生命を維持するためのさまざまな働きを制御する役割を持っています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、ひとつの器官に対して相反する働きをもっていて必要に応じてどちらかの働きを強め、臓器や器官を自動的に調整し、シーソーのようにうまくバランスを保っています。
交感神経は運動性の神経と呼ばれ、主に心臓や肺の活動を促進させます。
副交感神経は交感神経とは反対に作用し、主に消化器官の働きを促進させます。
人体ではおよそ12時間交代でこのふたつの神経の優位が入れ替わるとされています(活動時は交感神経優位、就寝時は副交感神経優位)。
また15歳くらいまでは副交感神経優位ですが、15歳をこえると交感神経優位に移行していきます。
交感神経 | 副交感神経 | |
---|---|---|
血圧 | 上昇 | 下降 |
血管 | 収縮 | 拡張 |
血行 | 悪い | 良い |
瞳孔 | 拡大 | 縮小 |
気道 | 拡張 | 収縮 |
心拍 | 促進 | 緩徐 |
膵臓 | 抑制 | 促進 |
肝臓 | グリコーゲン分解 | グリコーゲン合成 |
胃 | 弛緩 | 収縮 |
消化 | 抑制 | 促進 |
排泄 | 抑制 | 促進 |
膀胱 | 拡張 | 収縮 |
子宮 | 収縮 | 拡張 |
免疫力 | 抑制 | 促進 |
体温 | 低い | 高い |
呼吸 | 浅い・早い | 深い・ゆっくり |
分泌 | アドレナリン | アセチルコリン |
気圧 | 高気圧 | 低気圧 |
痛み | 減少 | 増大 |
過剰緊張状態における症状 | 高血圧・糖尿病・血行不良・過呼吸・頻脈・消化不良・便秘・免疫力低下・低体温症・自律神経失調症 | 低血圧・アレルギー疾患・下痢症・発熱・痛みの増加・血行良好・免疫力高い・自律神経失調症 |
ホメオスタシスとは?
人間は体の内部からも外部からもいろいろな影響を受けて生きていますが、外部からの影響によって、体内の内部環境がすぐに変化するようなことはありません。
安定して生活活動を営めるように、体の内部環境(体温、血液、体液の浸透圧など)を一定の範囲内に保つ作用が働いているのです。
このような恒常性のことを「ホメオスタシス」といいます。
たとえば、外気温の変化に対して無関係に体温を保ったり、血圧や呼吸、心拍数も激しい運動や病気でもしない限り一定の範囲に保ったりすることです。
硬膜とは?
硬膜(こうまく)とは、脳脊髄神経を覆う3層の髄膜(硬膜・くも膜・軟膜)のうち、一番外にある膜です。
硬膜と脳脊髄神経の間には脳脊髄液というリンパ液が流れています。