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大腸に住む細菌 ビフィズス菌と酪酸菌を増やす

投稿日:2024年8月11日 更新日:

こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。

本日は腸に関する本をご紹介します。

『便秘・下痢は1日で治る!――東大の微生物博士が教える』
著者:小柳津 広志
出版社: 自由国民社
価格:1540円(税込み)

便秘・下痢は1日で治る!
便秘・下痢は1日で治る! 東大の微生物博士が教える [ 小柳津 広志 ]

 

本日は腸内微生物の研究者が書いた本をご紹介します。

この本の内容はすべてが正しいというわけではないでく、少し偏った部分もあります。

書籍として面白い本にするためには少し極端な物言いが必要なのかもしれません。

 

裏表紙にはこう書かれています。

『便秘症は酪酸菌を増やせば治る!』
『下痢症はビフィズス菌を増やせば治る!』

 

確か嘘ではありませんし、治る人もいると思います。

でも治らない人もいるでしょう。

便秘や下痢の原因はそれだけではないからです。

 

大腸に住む細菌 ビフィズス菌と酪酸菌を増やす

書いている内容そのものは役に立つことも多いのでご紹介します。

『「好きなものを食べる」「医療が提供する薬を何でも服用する」という生活が、多くの病気の原点になっていることを意識してほしいと思います。』

 

「好きなものは我慢しない方がよい」というお医者様もいます。

私個人的には「人間と人間に変われているペットに限って、好きなものを食べていると病気になる」と思っています。

本来、自然界に住む動物は自分の体の合う合わないがわかりますので好きな物ばかり食べて病気になることはありません。

私は西洋医学を全否定しているわけではありませんが、今の日本における西洋医学の薬はできるだけ摂らないようにしています。

根本療法にはならないからです。

 

病気・症状の原因

『「病気・症状の原因別の分類」
1,老化によって起こる病気 1,動脈硬化に起因する病気・症状 2,その他の病気・症状
2,免疫系の異常によって起こる病気・症状 1,アレルギー 2,自己免疫疾患 3,免疫系の機能低下および炎症が原因で起こる病気・症状
3,微生物が侵入して増殖または毒素を造ることで起こる病気・症状 1,ウイルスによって起こる症状 2,細菌、真菌(カビ)、寄生虫によって起こる病気・症状 3,腸内細菌および粘膜の微生物によって起こる病気・症状
4,栄養失調または栄養過多によって起こる病気・症状 1,栄養失調によって起こる病気・症状 2,栄養過多および運動不足によって起こる病気・症状
5,ストレスが原因で起こる病気・症状』

当院のフィシオエナジェティックで見ている根本療法に近いですね。

⇒ フィシオエナジェティックについて詳しくはこちら

 

足りない部分はありますが、上記の問題は根本原因としてはとても多い問題です。

 

酪酸を増やす

『健康で長生きする人の大腸には、酪酸が多いことが確認されています。』

 

酪酸は大腸に住んでいる酪酸菌などのバクテリアが作る物質です。

ちなみに、ビフィズス菌も大腸に住んでいるバクテリアです。厳密に言うと乳酸菌ではありません。

これらのバクテリアは嫌気性細菌といって酸素のある環境では生きられない細菌です。

 

抗生物質によって便秘と下痢を繰り返す

『抗生物質を服用すると、大腸では多くの腸内細菌が死滅し、抗生物質に
耐性の遺伝子を持つ最近、つまり「抗生物質耐性菌」が増加します。

死滅する最近はビフィズス菌や酪酸菌などで、増加する細菌はプロテオバクテリア門というグループが中心です。

プロテオバクテリア門の細菌には、下痢や腹痛を起こす細菌がたくさんいます。

抗生物質服用によって、運よくプロテオバクテリアが増えなくて下痢を免れたとしても、酪酸は減るので、便秘ぎみになる人も多いのです。』

 

抗生物質を摂取した後は「便秘と下痢を繰り返す」人が多いです。

抗生物質を摂取しなくても、マウスウォッシュなどで殺菌されたり歯医者で殺菌されたりしても「便秘と下痢を繰り返す」ようになりやすいです。

 

下剤(便秘薬)の長期摂取は要注意!

『アントラキノン系化合物は、長期的に服用すると、大腸の蠕動運動が起こらなくなります。

現在使用されているアントラキノン系刺激性下剤は、センナ、大黄、ケープアロエ、カスカラサグラダなどの植物、および有効成分のセンノシドを配合したものなどがあります。』

 

生薬や漢方薬として使われる下剤作用のあるハーブは、微量の毒を腸に入れることにより毒を排出しようと蠕動運動が活発になることを狙ったものです。

使い続けているとだんだん耐性ができるんでしょうね。

微量の毒じゃ蠕動運動が起こらなくなり便秘がひどくなる可能性があります。

 

FOS(フラクトオリゴ糖)を摂りましょう!

『便秘を治す方法は、とても簡単です。大腸の酪酸菌を増やすフラクトオリゴ糖類FOSをたくさん摂ればよいだけです。

便秘は1日10~20gのFOSを摂れば、解消されます。

ただし、ひとつ問題があります。FOSを10~20g摂ると、生成される酪酸が大腸のエネルギー源となり、大腸は非常に元気になります。

困ったことに、大腸が元気になると大腸は水分を激しく吸収します。その結果、便が硬くなってしまいます。

ところがFOSをさらに多く摂るとどうなるのでしょう?

たとえば、30g以上/日で摂っていると、無賃を増やすアッカーマンシア菌が増えるのです。

無賃が増えると、硬い便がするっと出るようになります。』

『日常的に入手可能な食材でFOSを多く含むのは、ゴボウ、タマネギ、ニンニクです。』

 

FOS(フラクトオリゴ糖)を摂ると膨満感がひどくなるケースがあります。

その時は水をしっかり飲んでいただきます。

この本には書かれていませんが、おそらく、

FOS(フラクトオリゴ糖)が小腸での乳酸菌を増やす ⇒ 乳酸菌が酸素を消費する ⇒ 大腸で無酸素状態を作る ⇒ 嫌気性細菌であるビフィズス菌や酪酸菌が増える

という機序だと思います。

 

乳酸菌は役に立たない?

『一般的に腸の粘膜では新たに外から入ってきた菌に対してIgAという抗体がつくられます。IgAは新参者の菌にくっついて、定着させないようにします。』
『さらに乳酸菌製剤に入っている乳酸菌は大腸で生育する菌ではありませんので、乳酸菌製剤は全く摂取する意味がないのです。』

 

これは半分は事実です。

基本的に腸内細菌バランスは母親に似ます。

おそらく免疫の記憶によって定着させるある程度腸内細菌は決まっていると思われます。

ですが、死んだ乳酸菌をエサに乳酸菌が増えることもわかっています。

そもそも乳酸菌は胃酸でほとんど死にますからね。

つまり乳酸菌を摂る場合、乳酸菌の種類は何でもいいということです。

でもビフィズス菌や酪酸菌なんかは本来酸素のある所では生きられませんからほぼ意味ないでしょうね。

ヨーグルトは意味がないばかりか砂糖が入っているので悪玉菌が増えますのでご注意を。

 

酪酸は免疫にとって重要な物質です

『大腸の酪酸の作用は病気の原因の1つである免疫系の暴走を抑える作用です。』

 

大腸の酪酸は制御性T細胞(Treg細胞)を増やし免疫の暴走を抑えると思われます。

海外では酪酸そのもののサプリメントも売っています。

当院でもお勧めすることはあります。

ですが酪酸菌(ミヤリサンなど)をおすすめすることはありません。

当院の検査でも役に立たないと反応するからです。

理由は先ほど説明した通りですね。

一番重要なのは乳酸菌を増やすことです。

乳酸菌を増やし酸素が消費されないと酪酸菌やビフィズス菌が増える環境にならないからです。

 

抗生物質の害

『腸内細菌研究者は「乳幼児期に発生する発達障害は抗生物質で起こる」と考えています。

そればかりか、関節リウマチ、膠原病、多発性硬化症、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎およびクローン病)などの自己免疫疾患も、抗生物質が原因で起こると考えています。』

 

当院の臨床でも発達障害の原因に腸内環境が関係するケースも多いですし、抗生物質をきっかけに自己免疫疾患・膠原病を発症するケースもあります。

 

ベンゾジアゼピン系睡眠薬や抗不安薬には要注意!

『当然、ベンゾジアゼピン系薬剤は脳を鎮静化して眠気を誘導します。

ところが、これを長期服用していると、脳は睡眠誘導に抵抗性を示し、ノルアドレナリンの分泌を増やして、脳を興奮させるようになり、眠れなくなります。

さらに悪いことには、薬が切れてくると脳の興奮が激しくなり、動悸や冷や汗などの不快な症状が現れ、これを抑えるために、薬を飲まずにはいられなくなります。

これがベンゾジアゼピン系薬剤の中毒症状です。』

 

腸とは関係ない問題ですが、どうしても言いたかったんでしょうね。

そのくらい大変な問題なんです。

ベンゾジアゼピン系の薬については、本当に大変で離脱症状による症状を完全に治せたケースは正直なところ一件もありません。

もちろんやめてしまえば治る可能性はありますが、離脱症状がひどくやめることができなくなるのです。

 

ビタミンDについて

『私の結論は「人に対しては、非活性型ビタミンD摂取による過剰障害の報告はなく、過剰摂取は存在しない」です。』

個人的には私もそう思います。

ビタミンDの過剰摂取が問題視されていますが、問題なのは西洋医学で処方される活性型ビタミンD3製剤です。

 

大腸内でカンジダは増えない?

『大腸にカンジダなどのカビが増殖して体調が悪化する、と主張する医師がいます。これはまったくのデタラメです。

大腸は、酸素ガスが存在しない環境です。

カンジダはカビの1つですが、カビは細胞壁にエルゴステロールという脂質を大量に含んでいます。

実は、カビは酸素ガスが存在しないとエルゴステロールを合成できません。ですからカビは、酸素ガスの存在しない大腸ではまったく増殖できません。』

 

確かにそうですが、それは健康な腸の状態では、の話し。

小腸の乳酸菌が少ないと酸素が消費されないため大腸が無酸素状態にならなくなるんです。

そうするとカンジダが増えるのです。

※当院でおこなうフィシオエナジェティック検査は医学的な検査ではありません。どうすれば解決するのかはわかりますが、診断は基本的には行いません。あくまで診断については医療機関でお願い致します。

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