こんにちは。大阪府池田市/阪急宝塚線池田駅の自然療法整体院【関西カイロプラクティック】院長の鹿島 佑介です。
人は細菌と共に生きています。
本日はその人と最近の関係を書いた本をご紹介します。
マイクロバイオータとは?
体内に住み着く微生物は総称して「マイクロバイオータ」と呼ばれています。
さらに、マイクロバイオータのDNAを総称して、マイクロバイオームと呼ばれています。
先日、あるテレビ番組内でこの本の中に書いてあることが話題になっていました。
あなたの体は9割が細菌 微生物の生態系が崩れはじめた [ アランナ・コリン ]
「アッカーマン・ムシニフィラという細菌が少ない人ほど太りやすい。アッカーマン・ムシニフィラは腸壁を覆う厚い粘膜層の表面に棲んでいる。この細菌が少ないと粘膜層が薄くなり、リポ多糖が血液中に入り込みやすくなる。」
すでにアメリカでは痩せた方の大腸菌を移植して痩せるということが証明されているみたいです。
しかし実際にはそれ以外の問題(副作用)がある可能性があります。
その移植した細菌が健康な状態かどうかが重要です。
もしかしたら精神疾患を持っている方だったら、移植すると精神疾患になる可能性すらあるからです。
この本には他にも、
- 自閉症とディスバイオーシスの関係(ディスバイオーシスとはクロストリジウム・ディフィシルなどの細菌が出す毒素による症状のこと)
- 抗生物質が果たした役割と副作用(耐性菌の問題、微生物集団の構成が変わる問題など)
- 抗菌剤が耐性菌を作る・栄養摂取は微生物なしでは語れない
- 短鎖脂肪酸の役割(酪酸、プロビオン酸、酢酸)
- グルテンや乳糖不耐性の謎
- 赤ちゃんが母親から細菌を受け継ぐ方法
- 腸と脳が迷走神経でつながっているので腸内のセロトニンなどの物質が脳血液関門を通らずに脳に作用する!?
- トキソプラズマが性格を変える!?
- プロバイオティクスとプレバイオティクス
- リーキーガット
- アレルギー、自己免疫疾患
- 糞便移植
などなど、面白い最先端の話しがたくさん書かれています。
ようやく医療が新しい時代を迎え、抗生物質の大活躍した時代が終わりを迎えようとしています。
風邪はの95%はウイルスですので抗生物質は効果がありません。
ただし結核菌や溶連菌など重症化する細菌感染もありますし、手術後の感染リスクを減らすために抗生物質は必要です。
もう一冊、マイクロバイオーム関係で面白い本をご紹介します。
イラストが可愛くて専門的内容を一般レベルでわかりやすく、おもしろく伝えています。
一般の方にはこちらがおすすめです。
- 口は「腸の入り口」
- ロエムヘルド症候群(胃の中にガスがたまって、心臓をはじめとする内臓の神経を圧迫する病気です。ゲップ、気分が悪くなる、めまい、呼吸困難、心不全などの症状が出ます)
- 扁桃腺の役割は7歳まで!?
- 一見役立たずの盲腸は、実は細菌の監視役。虫垂も免疫組織なのです。
- アレルギーと消化の関係・不耐性(グルテン、乳糖、果糖)
- 長期に渡って胃酸を中和するのはよくありません。胃酸はアレルギー物質や有害な細菌を攻撃し、タンパク質の消化にも役立っているからです。
- 腸の影響は迷走神経を通じて脳に影響する
- ビオチンを作るバクテロイデス属、ビタミンB1を作るプレボテーラ属・腸内細菌は人間の身体が消化できない栄養素を消化できる形に分解し、おすそ分けしてくれているのです。
- 腸内細菌は次世代にも受け継がれます。
- ピロリ菌が私たちの免疫システム機能の「安定」に関わっています。
- 自我は「島皮質」で生まれるこの本の中で皆様にあまり知られていないが重大な症状を引き起こす問題についても書かれています。それはトキソプラズマ原虫という寄生虫です。
- 人間がトキソプラズマに感染している確率は年の数と同じくらいだそうです(30歳なら30%)
- 実は寄生虫が好んで食べる物質とは人間の身体がセロトニンを作り出すのに必要な物質です。
- トキソプラズマが行動・不安・臭覚中枢に影響を及ぼす可能性がある
最後にこの本に書かれている重要な考え方をご紹介します。
- 清潔さとは菌が少ないことでも、菌がいないことでもありません。
- 悪い細菌に鍛えられ、いい細菌に支えられ、私たちは生きている。
まさしくその通り、悪い細菌も必要なんです。
要はバランスですね。
マイクロバイオータについて当院で出来ること
- フィシオエナジェティックで必要なプロバイオティクスやプレバイオティクス(乳酸菌のエサになる物質)を調べます。
- 消化酵素の問題により消化不良が起こっている場合、それに対応します。
- カンジダ菌などの悪玉菌が増えている場合、必要なハーブなどを調べます。
- 腸内以外では口腔内のマイクロバーオータや膣内マイクロバイオータの問題を調べることもあります。
DNA解析の研究は終わり、今後おそらくエピジェネティクスやマイクロバーオータの研究が盛んになっていくでしょうね。
ようやく世界的には西洋医学も自然医療に近づいてきている、自然療法に戻ってきている感じはありますね。
日本ではまだまだですが・・・今後に期待ですね。