ハウスダストの問題はダニアレルギーだけではありません

PFAS（ピーファス、またはピーファズ）とは、「Per- and Polyfluoroalkyl Substances（ペルフルオロアルキルおよびポリフルオロアルキル物質）」の略で、人工的に作られた有機フッ素化合物の総称です。

🔬 特徴

• 非常に強い**炭素–フッ素結合（C–F結合）**を持つため、分解されにくい（=「永遠の化学物質」とも呼ばれる）。
• 耐熱性、耐水性、耐油性が非常に高い。

📦 用途例

PFASは1940年代から使用されており、以下のような製品に広く使われています：

⚠️ 健康・環境への影響

PFASの一部（例：PFOA、PFOSなど）は以下のような懸念があります：

• 人体に蓄積しやすい（血液中に長期間とどまる）
• 発がん性の疑い
• 肝機能、ホルモン、免疫機能の異常
• 胎児・乳児への影響

🌍 規制と対応

• 多くの国でPFASの使用制限や段階的廃止が進められています。
• EUやアメリカでは、PFASの包括的な規制法案が検討・導入されています。
• 日本でも環境基準や水質指針値の策定が進んでいます。

フタル酸エステル類（ふたるさんエステルるい、英: phthalates）とは、**フタル酸（ベンゼン環にカルボン酸が2つついた構造）と、アルコールがエステル結合してできる化合物の総称です。主に可塑剤（かそざい）**として使われています。

✅ 特徴

• 無色〜淡黄色の液体が多い
• においがあるものもある
• 水にほとんど溶けないが、有機溶媒にはよく溶ける

✅ 主な用途

フタル酸エステル類はプラスチックを柔らかくするために使われる可塑剤として、多くの製品に使われてきました。特に以下のものに多く含まれます：

• ポリ塩化ビニル（PVC）：ホース、フィルム、おもちゃ、床材など
• 塗料や接着剤
• 化粧品や香料
• 医療機器：輸血バッグやチューブなど（医療用PVC）

✅ 主な種類（代表的なフタル酸エステル）

⚠️ 健康・環境への影響

最近では以下の理由から規制対象となるケースが増えています。

• **内分泌かく乱物質（環境ホルモン）**の可能性がある
• 発がん性や生殖毒性が疑われるものもある
• 子どものおもちゃや食品包装などでは特に使用が制限されている

たとえば、EUではREACH規制により多くのフタル酸エステルが使用制限・禁止されています。日本でも食品容器、おもちゃなどに関して一部規制されています。

✅ まとめ

「フェノール類（フェノールるい）」とは、**ヒドロキシ基（–OH）が芳香族環（ベンゼン環）**に直接結合している有機化合物の総称です。

🔬 基本構造

• フェノール (Phenol) が最も基本的なフェノール類：
  • 構造式：C₆H₅OH（ベンゼン環に –OH が1つ）

✅ フェノール類の特徴

🔧 主なフェノール類の例

🧪 用途の一部

• プラスチック（フェノール樹脂）
• 染料・香料の原料
• 医薬品（鎮痛剤・殺菌剤など）
• 写真の現像薬
• 化粧品（美白成分としてのヒドロキノンなど）

難燃剤（なんねんざい）とは、材料が燃えにくくなるようにする化学物質です。特にプラスチックや繊維、木材、ゴムなどの可燃性材料に添加され、火災時に燃焼を抑えたり、燃焼の進行を遅らせたりする目的で使われます。

🔥 難燃剤の主な役割

1. 火がつきにくくなる（着火を防ぐ）
2. 燃えてもすぐに消える（自己消火性の付与）
3. 燃焼の進行を遅らせる
4. 煙や有害ガスの発生を抑える（ものによる）

🔬 主な種類

難燃剤はその働き方や成分によりいくつかの種類があります：

🏭 用途例

• 電気・電子機器（ケーブル、コネクターなど）
• 建材（断熱材、壁材、カーペットなど）
• 自動車部品（内装材）
• 家庭用品（カーテン、家具、衣類）
• 飛行機や鉄道などの輸送機関

⚠️ 注意点

• 一部の難燃剤（特に古いハロゲン系）は環境汚染や健康への影響が懸念されており、規制が強化されています。
• 最近では、**環境に配慮した難燃剤（非ハロゲン系）**への切り替えが進んでいます。